サルやイノシシ、そしてクマ…。
全国的に人間の生活圏で野生動物との遭遇し、トラブルとなるケースが増えている。
夏はレジャーやお墓参りなどで、山や川に近づく機会も増える。心配なのが、野生動物との突然の遭遇だ。

危険!突然の遭遇…人の生活圏に近づく"クマ"

視聴者:
「クマじゃねえか」「クマだ」「おわーめっちゃクマじゃー」「うっそー」

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7月16日、北海道三笠市の国道に突然現れたクマ。車の前を横切り、その後平然と山へ消えていった。

さらに最近では山だけでなく、人間の生活圏でも出没や被害が相次ぐようになっている。

斉藤健太 記者:
現場は民家が点在している場所です、そしてこちらに花が見えるのですが、さらに奥の畑で夫婦は襲われたということです

民家のすぐ裏で…死傷事案も増加傾向に

7月15日、松前町白神で畑作業をしていた高齢の夫婦がクマに襲われた。現場は山に近いものの、民家や商店があり、近くには墓地もある場所。

人の生活圏で起きたクマによる被害。町の人もショックを受けている。

付近の住民:
(お盆参り行くのは)ちょっと躊躇する。でも行かないわけにはいかない

付近の住民:
仕事から帰ってきて、車から降りて家に入るまでとか、周りを警戒してしまう。若干怖い

町では注意喚起を促すチラシを全世帯に配布するなど、警戒を続けている。

松前町農林畜産課 福井純一 課長:
(外へ)1人で行かないようにとか、音を鳴らすとか、あらかじめクマと接触しないような行動をとってほしい

また、道南地方では2021年7月に、松前町のとなりの福島町で女性がクマに襲われて死亡する事故が起きている。
道立総合研究機構の分析の結果、松前町と福島町のクマは別の個体であることが分かった。それぞれのクマはいまだ発見できていない。

舗装された路上でも…ここ数年で急増"札幌のクマ"

クマは大都市・札幌でも、これまでにないペースで確認されている。
2021年6月、住宅が立ち並ぶ札幌・東区。コンクリートで舗装された歩道で、出勤しようとした男性が突然、クマに襲われ、重傷を負う事故があった。

さらに、札幌・南区の住宅街では、歩道の縁石に座り込むクマの姿が目撃された。
遭遇したのは、花火大会帰りの男子高校生だった。

札幌市によると市内でのクマの出没件数は、2017年度の106件から、2021年度は185件と約1.8倍に増えている。2022年もすでに70件を超え、人との接触が懸念されているのだ。

耕作放棄が影響か…「人とクマの領域が曖昧に」

専門家は、クマが人間の生活圏に近づいている理由をこう分析している。

道立総合研究機構 釣賀一二三 研究主幹:
かつて果樹園とか畑だったところで、人が作物を作らなくなった。藪になってきて、クマが通りやすくなる。人とクマの領域が曖昧になっているというのはある

目の前にクマが現れる状態が珍しくなくなったいま。いつ遭遇してもおかしくないという当事者意識を持つことが大切である。

(北海道文化放送)

北海道文化放送
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