新潟県医師会広報委員会の協力のもと、熱中症と新型コロナウイルス予防の両立について医師に聞いた。

熱中症の危険性高まるマスク… “体温調節”機能に影響

杉山萌奈アナウンサー:
政府は屋内・屋外関わらず、熱中症を防ぐために人との距離が2m以上確保できる場合、会話がほとんどない場合などには、マスクを着用する必要がないとしています

杉山萌奈アナウンサー
杉山萌奈アナウンサー
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「マスク着用時の熱中症の危険性」について、新潟・上越市にある厚生連上越総合病院の田中敏春副院長に話を聞いた。

厚生連上越総合病院 田中敏春 副院長:
呼吸とともに、体の中にたまった熱を外に吐き出す機能で体温を一定に保つ。激しい運動をしている最中、暑い中で作業をしているときにマスクをすることで、呼吸による熱を外に吐き出す機能が一部失われる。そういった状況においては、熱中症の危険性が高まる

厚生連上越総合病院 田中敏春 副院長
厚生連上越総合病院 田中敏春 副院長

高温多湿の環境下でマスクを着用すると、皮膚からの熱が逃げにくく、体温調節が難しくなったり、口腔内の渇きを感じづらくなったりすると言う。

厚生連上越総合病院 田中敏春 副院長:
救急車に同乗する方を見ると、ヘルメットと厚い作業服、なおかつマスクをしている。救急車で運ばれる患者も、きっとマスクをしていたと予想される

密接した距離での飲食・会話は感染の原因に

田中医師は「9月ぐらいまでは散歩やランニング、通勤・通学時、外で作業をする際などはマスクを外してほしい」と呼びかける。

杉山萌奈アナウンサー:
ただ一方で、マスクを着けなくていいと思ってしまうと、新型コロナウイルス感染が拡大してしまう。どんなことを注意したい?

厚生連上越総合病院 田中敏春 副院長:
非常に密接した距離で飲食を伴う長時間の会話こそが、新型コロナ感染の危険性を増す。やはり、マスクを着用しない場合は、距離をとる・会話をしない・飲食を伴わない。こういった節度を持ったマスク着用が求められる

危険なのは高齢者だけではない!油断せずに熱中症予防を

〈マスクを着用する場合の熱中症対策〉
▽のどが渇いていなくても、一日あたり1.2リットルを目安に水分補給
▽屋内ではエアコン・扇風機をつけながら適宜換気し、温度・湿度を調節
▽太い血管が通るわきの下・太ももの付け根・首の両脇を冷やす

特に体温調節機能が衰えている高齢者は、熱中症による死亡者の約9割を占める。周りの人が対策を取るよう気にかけることが大切だ。もちろん、それ以外の人も安心というわけではない。

熱中症死亡者の割合
熱中症死亡者の割合

厚生連上越総合病院 田中敏春 副院長:
熱中症は必ず誰でもなる。「こういう人はならない」という過信は禁物。そして、適切に予防すれば発症を防げる。新型コロナウイルス感染症と熱中症予防は両立できると思うので、ぜひ様々な注意を念頭に日常生活を送ってほしい

熱中症・新型コロナには共通した症状…医療機関で申告を

念頭に置いておかなければいけないのは、熱中症の初期症状と新型コロナウイルスの症状が似ている点。

のどの痛みや鼻水が出るなどの症状は熱中症にはみられないが、発熱・倦怠感・頭痛・吐き気・関節痛は共通した症状だ。

熱中症・新型コロナウイルスの症状
熱中症・新型コロナウイルスの症状

厚生連上越総合病院 田中敏春 副院長:
腹痛・微熱、一般的には胃腸炎の症状かと思って診察していた中で、結果として新型コロナ感染者だったということを経験した。なかなか症状からでは新型コロナ感染者なのか、熱中症なのか、ほかの病気による熱なのか判断が難しい時期

杉山萌奈アナウンサー:
患者自身が、新型コロナ感染者が周りにいたか、熱中症の危険が高まる行動をとっていたか申告することが大事? 

厚生連上越総合病院 田中敏春 副院長:
そのとおり。「自分は熱中症だから」という思い込みではなく、自身の症状を医療機関に申告したうえで診察を受けていただくのがいい

(NST新潟総合テレビ)