更年期障害が男性にもあることが徐々に知られてきているが、その症状と対策について取材した。
矢野記者:
テーマは「知らないと怖い男性の更年期障害」です

50代男性の15%が更年期障害を自覚…ただ受診は2%以下
厚生労働省が6月、更年期障害についてのアンケート調査の結果を発表。以下がその内容だ。
(Q.男性に更年期があることを知っていますか?)
40代以上の男性で知っていると答えた人は15%程度。

(Q.更年期障害を自覚している人は?)
男性は50代で15%程度。女性は自身の更年期を自覚している人は結構いる。

(Q.医療機関を受診しましたか?)
となると、男性は2%以下。女性も、自覚がある人が多い割には「受診した」という人は意外と少ないのが現状。

一般的に呼ばれる「更年期障害」とは、男性ホルモンの低下が原因。
しかし、男性ホルモンの低下がなくても同様の症状を発症することがある。これらの症状を総称して「更年期症状」という。

それでは、ホルモンの低下による「更年期障害」は体にどのような影響が出てくるのか?
うつ状態のように「やる気が出ない、夜眠れない」
話を聞いたのは、広島駅前泌尿器科クリニックの正路晃一院長。
広島駅前泌尿科クリニック・正路晃一院長:
症状は大きく3つに分かれて出てくる。
1.骨密度が下がってくる。他には筋肉量が落ちる、太りやすくなってくる
2.精神症状がうつ状態のようにやる気が出ないとか、夜眠れないという症状
3.性機能障害いわゆるED勃起障害

さらに症状が重症化することで、生活に大きなリスクが生じると専門家は指摘。
正路晃一院長:
男性の場合、仕事に支障が出てくる方が多いです。いわゆる男性ホルモンというのはやる気だったりとか、ポジティブにものを考えたり、社会的要素のあるホルモン。男性ホルモンが減ってくると、仕事ができない。朝起きられないという症状が出てくることがある。それで失職した状態で病院に来る方もいる

矢野記者:
男性と女性では、更年期症状の出る時期などにも大きな違いがあります。
女性の場合、閉経の5年前後にホルモンが一気に下がることによって、この期間限定で症状が出るのに対して、男性の場合は時期が不規則なのが特徴です

男性は40歳~いつ始まり、いつ終わるかわからない
正路晃一院長:
年齢もしくはストレス、自律神経などのストレスが加わることによって、男性ホルモンが低下してくると起きると言われています。私の所に今通ってきている方で、最年少は40歳です。40歳以上の男性であれば、いつということはなしに起こって、かつ、いつまで続くかというと結構長い間続いたりする。女性の方は人生の中で一過性のものという捉え方。男性の場合は、途中から起きて継続するようなイメージです

つまり、男性の更年期は“状況によって突然始まり、終わりがいつになるのか分からない”ということ。
それでは、更年期症状が出た場合の治療はどうなるのか?
EDは薬 男性ホルモン低下は注射
正路晃一院長:
男性ホルモンの値の応じて、一定の数値以下の方は男性ホルモンを補充しましょう。男性ホルモンが一定以上の数字の人に対しては、その症状に応じた治療を行います。
例えば、男性ホルモンは高いがEDの症状があればEDの治療薬を使ったり、男性ホルモンが低い人に関しては、日本では保険がきいて一般的に使われているのは注射です。だいたい3~4週間に1回くらい打つタイプの注射がよく使われています

矢野記者:
男性の更年期症状の状況を示す指標になるのが、AMSスコアというもの

矢野記者:
これは医療機関などでも行うが、インターネットなどでも情報を得ることが出来る。ポイントによって現状が分かる仕組みになっていて、いろいろな質問項目がある

矢野記者:
身体の状況とか、なかには「人生の山は終わった」など。変化に気づいたらAMSスコアをやってみるとか、場合によっては医療機関を受診されてはいかがでしょうか
(テレビ新広島)