AI(人工知能)が商品の管理や発注まで行う無人の店舗が誕生する。

AIが需要予測、陳列場所も提案

NTT東日本グループが7月21日に発表したのは、AIなど最新のデジタル技術を活用した無人店舗システム「スマートア」。

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クレジットカード情報をアプリに登録しておくことで、商品をスキャンして、セルフレジを通らずにそのまま店を出ることができる。

来店客は、まず入り口でアプリのQRコードをかざし入店。

購入はカメラ機能で欲しい商品のバーコードを読み取り、事前にアプリに登録したクレジットカードなどで決済する仕組み。

テルウェル東日本事業推進室・眞木宣文室長:
特徴としては、お客さま自身の決済のほかに、得られた購買データに基づいて“商品がきょういくつ売れるだろう”という需要予測をAIを用いて行っています

店内に設置されたカメラの映像や来店客の購入データ、気象情報などをAIで分析。商品の適切な発注量や陳列場所を提案することで、売り上げ向上や食品ロス削減につながるとしている。

NTT東日本グループは、今後リモートワークで出社する人が減り、売り上げが減少しているオフィスビルの店舗やホテル、病院、観光施設の売店などが、こうしたシステムを導入するサポートをしたい考え。

テルウェル東日本事業推進室・眞木宣文室長:
人手の確保が難しいところや、地域のお客さまのところで店舗を開設することが難しいところについては、できるだけ人手を介さずに運営ができる、かつ少ない売り上げでもしっかり利益を維持できるモデルとなっています

今回のシステムを年度内におよそ50店舗に導入し、5年後には年間30億円の売り上げを目指すとしている。

スマホだけあれば店を開ける

Live News αではマーケティングアナリストの渡辺広明さんに話を聞いた。

内田嶺衣奈キャスター:
最新のデジタル技術を駆使した無人店舗ということですが、渡辺さんはこの取り組みをどうご覧になりますか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
小売業ではない異業種のNTTがスマートストア事業に参入するということで、顧客満足度をどういった形で追求するのか、店の新しい可能性を感じます。今回の取り組みは会社や学校、病院内にあるような売店、いわゆるマイクロマーケットを狙ったもので、品揃えやサービスが限定されるため店舗運営もやりやすいです。また、街中にある小売業は、人口減やインターネット通販の台頭でオーバーストアになっていて、コンビニですら店舗数減少のフェーズに入っていて出店余地がありません。その点マイクロマーケットは、飲料や食品自販機、売店などとの競合はあるものの、まだ十分に勝機があり、出店余地が残されていると感じます。

内田嶺衣奈キャスター:
これまでも無人店舗については一部で取り組みが進んでいましたが、運営する側にとってはそれだけメリットが多いということなんですね?

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
無人の店舗については基本的にアルバイトなどの従業員が必要無く、人出不足の心配もありません。またそれぞれの顧客のスマホがレジとなって、通常のレジなどの機器も最低限で済むため、店舗展開時のイニシャルコストが抑えられると同時に、保守や消耗品などのランニングコストも削減できるため、低いコストでの店舗運営が可能になります。さらに今回のスマートストアでもっとも注目しているのは、AIによる発注や品揃え管理が含まれていることです。特に発注がAIに変わると、「勘・経験・度胸」といった属人的な対応から、最終的には人間がチェックすることになるものの、ベースとなる発注数算出など、業務の中でも時間を要する発注業務時間が劇的に減り、省人化がさらに進むことに期待できます。

内田嶺衣奈キャスター:
運営する際の人やコストを大幅に減らすことができれば、出店する企業や個人も増えそうですね?

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
顧客だけでなく、店舗を運営する側も、売上や販売の分析、カメラによる店舗の現況の確認、決済や請求など全てスマホで完結すれば、便利で簡単だと思います。まさに、"スマホだけあれば店を開ける"のキャッチフレーズで、希望する人のハードルを下げれば参入者も増えて、マイクロマーケットが活性化することに期待できると考えます

(「Live News α」7月21日放送分)

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