197万人が住む北海道の札幌市で、ここ数年、住宅街でのクマの目撃が相次いでいる。
出没が増える背景には何があるのか。クマをおびき寄せないために注意するポイントを取材した。

札幌市郊外の南区豊滝。住宅街の道路をゆっくりと歩くクマ。後ろには、子グマとみられるもう1頭がついてくる。

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さらに…同じ南区の真駒内の住宅街では、歩道の縁石付近に座り込むクマの姿も確認された。

目撃情報が相次ぐ事態に市民は…

札幌市民:
怖い

札幌市民:
だんだんクマと人間との関係が近くなっている

人の生活圏への出没が相次ぐクマに、どう備えれば良いのだろうか。

高校生:
クマを見た。スマホで撮影した

札幌市南区の真駒内で花火大会が開かれた9日夜。帰宅途中の高校生が目撃したのは、体長1メートルほどのクマだった。

沼田 海征 記者:
クマが出たのは、こちらの緑豊かな住宅街です。見つけたのは花火大会帰りの2人組の高校生でした。

現場付近はマンションなどが立ち並ぶ住宅街の一角。

クマが目撃されたのは普通の住宅街(札幌・南区)
クマが目撃されたのは普通の住宅街(札幌・南区)

その3日前には同じ南区の豊滝地区で、住宅街の道路をゆっくりと歩く2頭のクマが目撃されている。

クマを撮影した人:
びっくりした。こんなに近いのは初めて

親子とみられる2頭は、住宅街などを15分ほど徘徊していたという。

札幌市によると、市内のクマの出没件数はここ数年で急増している。4年前の出没件数は137件あったが、ここから大きく変化していく。

2018年の札幌市内のクマ目撃件数は137件
2018年の札幌市内のクマ目撃件数は137件

目撃場所も徐々に住宅地に近づいているうえ、2021年の目撃件数は185件とわずか4年の間に約1.3倍にまで増えた。

目撃場所は徐々に住宅街付近にまで…
目撃場所は徐々に住宅街付近にまで…

その2021年6月には、札幌市東区の住宅街にクマが出没。

男女4人が重軽傷を負う、前代未聞の事態が起きた。

札幌市によると、2022年の出没件数はすでに70件ほどと2021年同様、かなり多いペースだという。

専門家は目撃情報の増加の理由と、目撃されるクマの特徴をこう分析している。

酪農学園大学 佐藤喜和 教授:
特定の個体が人の多い所に出没すると目撃数も増える。繁殖期終わりかけのこの時期、山の中が餌不足になる。住宅地に好んで来ているのではないと思う。若いクマは昼間に行動する割合が多い印象がある

エサ不足などで出没が増える可能性があるクマ。いかに速く情報を周知し、遭遇を避けられるかがポイントとなるため、札幌市は2022年4月に公式ラインでクマの目撃情報を発信し、速やかに情報を伝える取り組みを始めた。
登録者は毎月増えていて、今後の活用が期待されている。

クマを住宅街へ誘引しないためのポイントがいくつかある。
酪農学園大学の佐藤喜和教授によると、まずは"におい"で呼び寄せないようにする。
ゴミ出しのルールを守ること。さらに外に置いてあるペットのエサ、魚の干し網を放置しないこと。
さらに、大事なのが家庭菜園の対策。
電気柵を設置するなど、しっかり対策することで、クマとの遭遇を避けることができるという。
特に夏場は山の中のエサが不足する時期なので、注意が必要だ。

(北海道文化放送)