本物の日本を見せます。3年ぶりにジャパン エキスポがパリに帰ってきた。

カンナ削りから着想「木のストロー」

フランス・パリ近郊で開かれたジャパン エキスポ。平日の昼間にも関わらずコスプレ姿の若者など大勢の人たちでにぎわっている。

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コスプレした参加者:
コスプレが出来るのはこういうイベントだけなので、ジャパン エキスポを楽しみにしていました。

アニメや漫画のほか、伝統芸能などを幅広く紹介するヨーロッパ最大級の日本文化の祭典。
新型コロナの影響で2年連続中止となっていたが、3年ぶりに開催された。

会場内には囲碁・将棋が体験できるブースや日本食を販売するブースなどがある中、SDGsを発信するブースも。

薄い木をゆっくりと型に沿って丸め筒状に。ここは木のストロー作りが体験できるブース。

木のストローは、日本がもつ匠の技で伝統として受け継がれてきたカンナ削りから着想を得て開発したという。

脱プラスチックや森林保全に不可欠である間伐材の有効活用など、SDGsの観点からも量産化の実現が期待されている。

木のストロー作りを体験した人:
環境に優しいストローだと思います。何度も使えるのならいいことです。

自分で作れるのが実用的。木だからリサイクルできるし、プラスチックじゃない点がとても興味深いです。

木のストロー作りを体験した人:
早くて簡単で技術も優れていて面白かったです。新たな発見です。

大勢の来場者でにぎわう会場内は、よく見るとマスクをしている人はあまり見当たらない。感染拡大への懸念はありながら、日本への旅行に想いをはせる人も多くいる。

来場者:
日本に行くためにゆっくり少しずつ準備しています。多分来年日本に行きます。

これまで日本に行く予定だったけどコロナの影響で無理でした。規制が取り除かれたことで『行ける』という気持ちになりました。

3年前の来場者数25万人を上回る見通しの今年のジャパン エキスポ。
人の往来や経済回復へのきっかけとなるか期待が膨らむ。

"普段着の日本"が高く評価

三田友梨佳キャスター:
マーケティングアナリストの渡辺広明さんに聞きます。
3年ぶりのジャパン エキスポということですが、渡辺さんは感染の拡大前に出展企業の担当者として参加したことがあるそうですね。

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
そうなんです。パリで開かれる展示会は来場者が多く人気のイベントで、日本文化を愛するパリっ子が集まり活気溢れる4日間でした。
今回は、日本の匠の技とSDGsのコラボなど日本文化の紹介の幅が広がっていて、このイベントをきっかけに日本を訪れる観光客が増えることを期待しています。

三田キャスター:
今回のジャパン エキスポもそうですが、海外で日本への興味を高める効果的な取り組みはどんなことが必要ですか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
ポイントは「普段着の日本」だと思います。
今の日本をそのまま紹介すること、去年の東京オリンピックでは各国の報道関係者の間で日本のコンビニが注目を集め、本国へのリポートも盛んに行われていました。

今回のジャパン エキスポでも日本のコンビニが紹介されていますが、残念ながら展示だけなんです。

例えば、日本のコンビニを丸ごと再現しておにぎりやサンドイッチの販売、さらにはローソンなどで行っている店内調理の出来たての中食を販売すると、日本への興味がさらに高まりインバウンドの拡大を後押しすることになるのではないかと考えます。

三田キャスター:
確かに、私たちの日常の中にこそ外国人観光客の興味をひく、何かがありそうですね。

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
海外旅行の経験者を対象に実施された世界的な意識調査によると、 「次に海外旅行したい国・地域」として日本が1位に選ばれています。

「行きたい観光地や観光施設があること」に加え、「食事の美味しさ」「清潔さ」「治安の良さ」といった "普段着の日本"が高く評価されているのがポイントです。

コロナ前、外国人観光客数は日本は世界で12位でした。
1位のフランスはもちろん、同じアジアではタイが8位となっており、 日本は外国人観光客の獲得でまだ伸びしろがあることがわかります。

今回のようなジャパン エキスポなどの世界各国のイベントで、 "普段着の日本"をアピールすることが最も大事になってくると考えます。

三田キャスター:
インバウンド消費はコロナ禍で落ち込んだ地方経済回復に向けても重要だと思いますから、 観光業が再び盛り上がることが期待されます。

(「Live News α」7月18日放送分)