私がお伝えしたいのは「皇后さまのご養蚕」です。
皇后さまは、育てた蚕の繭からとれた生糸を12日、神前に供え、今年の作業を終えられました。
つややかな生糸を目にし、明治以降の皇后に受け継がれるご養蚕を今年も無事に終え、深く感謝されたということです。
ポイントはこちら。「100年を超える伝統 皇室で養蚕が続けられる理由」注目です。
【注目ポイント・記者解説】
皇居でのご養蚕は、明治4年、明治天皇の后の昭憲皇太后によって始められました。
当時、日本の主力な輸出品だった生糸の生産に寄せる思いから始まり、以降、大正、昭和、平成、令和と「皇后陛下のお仕事」として受け継がれています。
皇后雅子さまにとって3年目となる今年は、感染対策を講じた上で5月から、日本古来の純粋種「小石丸」など4種類の蚕を育てられました。
桑の葉を与える作業などには天皇陛下や長女の愛子さまも加わられ、ご家族のサポートのもと、皇后さまは、毛羽に包まれた繭を「わたあめみたい」と話しながら、ひとつひとつ丁寧に収穫されたそうです。
「小石丸」は一般に育てられている品種に比べて飼育が難しく、収穫される糸の量が少ないものの、生糸は細くてしなやかで光沢があることから、上皇后美智子さまのもと、正倉院宝物の古代の絹織物の復元などにも使われるようになりました。
日本文化の継承の一翼も担う皇室のご養蚕。その担い手として、今年も無事に飼育を終えた皇后さまは、心から安堵し、感慨深く思われたということです。
(フジテレビ社会部 宮崎千歳)