国の重要無形民俗文化財にも指定されている「村上大祭」が3年ぶりに開催された。城下町・村上の夏の風物詩の復活に、市民からは喜びの声があふれた。

「待ちに待っていた」 “夏の風物詩”復活に沸く村上市

長谷川珠子アナウンサー:
青空のもと、全17台のおしゃぎりが2年分の思いを噛みしめて、ゆっくりと歩みを進めています

7月7日、新潟・村上市で行われた「村上大祭」の本祭り。

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子ども:
おしゃぎりをいっぱい引っ張って、いっぱい汗をかいて頑張りたい

約390年前の江戸時代から続く村上市の伝統行事・村上大祭は、新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催となった。

参加者:
3年ぶりなので本当にうれしい。中止期間が長くて、季節感を感じられなかったので、この日を待ちに待っていた

訪れた人:
子どもも大きくなって、やっと記憶に残るころなので、祭りを見せることができてうれしい

訪れた人:
感無量。縮小になったとはいえ、音を聞くだけで懐かしい

村上大祭の醍醐味といえば、太鼓や鐘の音に合わせ練り歩く、絢爛豪華な“おしゃぎり”だが、今年はほとんどの町が夜の巡行は行わず、午前中のみの実施に。

おしゃぎり
おしゃぎり

また、にぎわいを見せる屋台も例年より90店舗少ない140店舗に縮小された。

村上まつり保存会 加藤悦郎 会長:
おしゃぎりは子どもたちが乗るもの。2年間休んだので、子どもたちの稽古というのが非常に各町内、苦労した。今年は今年なりに、にぎやかで良いお祭りにしている

規模縮小もにぎやかな村上大祭に
規模縮小もにぎやかな村上大祭に

困難乗り越え… おしゃぎりに込めた子どもたちへの思い

新型コロナウイルスの影響が完全になくなったわけではないが、それでも祭りの開催には並々ならぬ思いが込められていた。

長谷川珠子アナウンサー:
64年ぶりに車輪が新調された大町のおしゃぎり。64年間で10センチすり減ったという古い物から新しい車輪に付け替えられ、子どもたちを力強く支えています

大町では、2018年に国の重要無形民俗文化財に指定されたことで支給された補助金を使用し、ひのき製の車輪を760万円かけ新調した。

大町 藤井昭弘さん:
楽しみで楽しみでしょうがなかった。何十年先も、いま上に乗っている子どもたちが引っ張れるようになるまで、ずっとずっと続いていってもらいたい

大町 藤井昭弘さん
大町 藤井昭弘さん

困難を乗り越え、前へと進むおしゃぎり。

村上まつり保存会 加藤悦郎 会長:
子どもたちには「自分たちがお祭りを支えている」、鐘や太鼓をたたき、おしゃぎりが動くという、「自分たちが各町内を動かしている」と思ってほしい。大丈夫!村上大祭はずっと続く

村上まつり保存会 加藤悦郎 会長
村上まつり保存会 加藤悦郎 会長

城下町・村上が守り続けてきた伝統や思いは子どもたちへと受け継がれていく。

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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