能登半島にある石川・志賀町で、約50年ぶりに復活したという岩ガキ漁があるという。一度は途絶えたという岩ガキ漁を復活させたのは、地元の漁師3人。
どんな岩ガキなのか?探ってみた。
半世紀ぶりに復活した「天然岩ガキ漁」

2020年、石川・志賀町で約半世紀ぶりにある漁が復活した。それが「ヨコタ礁の岩ガキ漁」。中心メンバーの平野政志さん(ひらの・まさし)さんは、建築関係の仕事をする傍ら、夏の時期に岩ガキ漁をしている。なぜ漁は途絶え、なぜ復活させようと思ったのか平野さんに聞いた。

竹内章アナウンサー:
平野さん、岩ガキって今が旬なんですか?
漁師 平野政志さん:
そうですね、これから7月終わりまでが旬です
竹内章アナウンサー:
Tシャツに「ヨコタ礁」って書いてありますが、ヨコタ礁って、カキが採れる場所のことですか?

漁師の平野政志さん:
志賀町の高浜漁港から沖合4~5キロにある岩礁で、見た目は海なんですけど、潜っていったら、砂じゃなくて、岩場があるんです。

漁師 平野政志さん:
50年ぐらい前に採っている人はいたという話は聞いたことがあるんですけど、地元の漁業組合に聞いたら、それ以降、出荷もないし、誰も採ってないと。

竹内章アナウンサー:
なぜ、途絶えたんですか?
漁師 平野政志さん:
岩礁は10メートル~15メートルの深さにあって、潮の流れも速いんです。とても危険で、きつい漁なので、採らなくなったのかなと…

竹内章アナウンサー:
でも、海流が激しいから、カキがおいしくなるとか…
漁師 平野政志さん:
水深があるので、水もキレイですし…
自慢の「ヨコタ礁の岩ガキ」 その漁に同行取材

取材班は漁に同行させてもらうことになった。平野さん達は、万が一のトラブルに備えて、三人一組で漁を行っているそうだ。

竹内章アナウンサー:
いよいよ、これから潜られる、素潜りということですね?
漁師 平野政志さん:
そうです

「ヨコタ礁の岩ガキ」は、昔と変わらぬ素潜り漁。50年前と変わったのは、ウェットスーツや足ひれといった道具を身に着けているところ。

漁では、まず海面から岩礁を確認する。

岩ガキを見つけたら、目標へ!

素潜りだけに時間との勝負。目安は1分ほどだ。

それを過ぎるとリスクが高まるという。


竹内章アナウンサー:
もう、海中から上がってきてる?持ってます、持ってます。おおお、採れたんですね!

竹内章アナウンサー:
これで、どれぐらいの大きさ?
漁師 平野政志さん:
中ぐらいですね

1日4時間の漁で、多い時で200個ほど採れるという。

漁の後、平野さんたちは、取材班のために岩ガキを使った料理を用意してくれた。
竹内章アナウンサー:
岩ガキというと、そのまま生で頂くイメージですけど、フライとか天ぷらもあるんですね

漁師 平野政志さん:
私たちが岩カキを卸している「市左衛門」さんという店があって、そこで食べられます
竹内章アナウンサー:
では、王道といいますか、最初に頂くとすると、やっぱり生ですか?
漁師 平野政志さん:
生ですね

早速、岩ガキを生で頂くことに…
竹内章アナウンサー:
大きいですよね、本当に…持てるかな。いただきまーす!

竹内アナウンサー:
うん、うわ!噛めば噛むほどに、口においしさが広がるし、おいしー!何かあるんですか?ヨコタ礁の岩ガキの特徴って

平野さんの妻・久美子さん:
プランクトンの豊富な海です
漁師 平野政志さん:
カキにとってのエサが豊富なんですね

竹内章アナウンサー:
だからカキも大きくなって、身もぷりぷりして、美味しいんですね。ところで皆さん、ご夫婦なの?並ぶとどうなるの?

竹内章アナウンサー:
漁は危険もあって、奥さんは心配じゃないですか?
平野さんの妻・久美子さん:
毎晩寝られません、心配で…(笑)

竹内章アナウンサー:
冗談でいっているのか、本気で言っているのか、よく、分からないですが…
平野さんの妻・久美子さん:
冗談です、ははは。
竹内章アナウンサー:
結構、チームワークはいい感じでいってるんじゃないですか?
平野さんとチームを組む加藤直樹さん:
いい感じですよ。
漁師 平野政志さん:
仲良く、わきあいあいと

竹内章アナウンサー:
目標は?
漁師 平野政志さん:
命はってるって、大げさじゃないですけど…。頑張って採っているので、「日本一おいしいな」って言われたいです

竹内章アナウンサー:
危険と背中合わせの漁なので、本当に気をつけて。頑張ってください!

「ヨコタ礁の岩ガキ」は通販の他、予約すれば現地で販売もしていて、料理は地元の志賀町や周辺の七尾や輪島のレストランでも味わえるという。
半世紀ぶりに復活した能登の味を是非、味わってほしい。
(石川テレビ)