7月2日未明に発生したKDDIの大規模な通信障害。携帯電話の音声通話やデータ通信がつながりにくい状態になり、最大3900万を超す利用者に影響を与えました。データ通信と音声通話を規制しているため、55時間がたった4日時点でも、全面復旧には至っていません。「めざまし8」のカメラが捉えたのは、週末の混乱。見えてきたのは、通信に頼った生活の“思わぬもろさ”でした。

キャッシュレス化で電話も一苦労 生活大混乱

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石川・能登半島 防災無線:「現在、au回線障害が発生しておりauまたはUQモバイルの携帯電話が119番通報できない可能性があります」

防災無線で通信障害を伝える、異例の事態となった地域も。今や数の少なくなった、都内の公衆電話には…

au利用者の20代男性:「会社に勤務の関係で電話しようとしてて、今ちょうど公衆電話使おうとしていました」

会社に連絡することが出来ず、公衆電話を使わなければいけない事態に。しかし…

au利用者の20代男性:「小銭忘れてて1回下ろしてまたやろうかなと…」

キャッシュレス化が進む中、小銭の持ち合わせがありません。銀行のATMで引き出そうとしますが…

au利用者の20代男性:「土曜日で小銭がおろせなかったので、ちょっと自販機かなんかで崩します」

ひとたび通信障害が起きると、連絡を取るのも一苦労。全国規模の通信障害が発生したのは、2日の午前1時35分ごろから。KDDIが展開するauやUQモバイルなどの携帯電話サービスで、通話やデータ通信がつながりにくい状態になりました。

夜が明けて、auショップ前には長蛇の列が。突然携帯が使えなくなくなり混乱したユーザーが殺到しました。今回起きた障害の原因は、メンテナンスのため、回線ルート変更を行った際に発生した設備障害だということです。その影響は、生活のあらゆる場面に及びました。

岐阜県の大垣共立銀行では、店舗外にあるATMの約86%が使えなくなり、気象庁では、全国およそ1300カ所のアメダス観測点のうち500カ所余りで観測データが配信できない事態に。
さらに、日本郵政は、郵便物・ゆうパックなどの一部に遅れが発生するおそれがあると発表。物流にも大きな影響が発生しました。

「全然間に合っていない…」配達も個人携帯で対応

ヤマト運輸の配達員:「携帯がつながらなくて、全く再配達の依頼も集荷も全然回れていない状態ですね。きょう(2日)朝出勤した時にはもうずっとこんな感じだったので、ずっとどことも連絡取れず個人携帯でどうにか頑張っている感じです」

会社から支給されたという携帯電話は通信障害で繋がらないため、個人の携帯電話で対応。しかし…

ーー個人携帯で届け先に電話している?
「いや、届け先には個人携帯では電話をしていないんですけど、周りの同僚と連絡取り合ったりという感じです」

ーーきょうは何件くらい回っている?
「きょう200件くらいですかね」

ーー通信障害で定刻通りにならない?
「まだ全然間に合ってないですね」

通信障害で明暗分かれるフードデリバリー

さらに、こんな人たちも…

auユーザーのフードデリバリー配達員:「仕事にはならないですよね。はっきり言って」

「仕事にならない」と話すのは、auユーザーのフードデリバリーの配達員。

auユーザーのフードデリバリー配達員:「とりあえずなるべく電波が通じる環境にいたりして(注文を)取ってみたいな感じでしたね。公共Wi-Fi拾ってる時もありましたし、あとは本当にたまに電波が回復する時があったので、それの合間を見計らいながらみたいな感じです」

普段なら依頼が入り次第、店に商品を受け取りに行くことができますが、無料のWi-Fiスポットを探さないと依頼を受け取る事ができません。

auユーザーのフードデリバリー配達員:「スマートフォンを使うのがメインの仕事になるので、やっぱり今回みたいな感じになっちゃうと、ちょっとやっぱり大変ですよね」

一方で、KDDI以外の配達員には、思わぬ影響が。

ソフトバンクユーザーのフードデリバリー配達員:「今注文入ってますね」

立て続けに入る配達依頼のメッセージ。

ソフトバンクユーザーのフードデリバリー配達員:「もうひっきりなしに入ってます。忙しいです。うれしい悲鳴っちゃ、うれしい悲鳴です」

こう話すのは、ソフトバンクユーザーのフードデリバリーの配達員。いつもなら土曜日の夕食時は依頼の取り合いになるといいますが…

ソフトバンクユーザーのフードデリバリー配達員:「注文もダブルで入ったりとか、(1回で)1件から2件分注文入ったりとか、あとはすごく距離の長い注文が入ったりするので「多分配達員が少ないんだ」っていうことがやってて分かる」

この日は、長距離の依頼も入りその分報酬も高くなっているといいます。思わぬところで分かれた〝明と暗〟。

さらに通信障害は、待ちに待った、夏の風物詩にまで影響を及ぼしていました。

3年ぶり花火大会も待ち合わせ困難

夏の夜空を美しく照らす光。2日、3年ぶりに再開された、山梨県・富士河口湖町の花火大会。

帰ってきた夏の風物詩を一目見ようと2万人以上が集まり賑わいを見せました。例年よりも多いおよそ2万人を超える観客でごった返す会場。そこで出会ったのは… 

auユーザーの待ち合わせ中の男性:「もう(連絡)取れないです。ラインしか分からなくて。もしかしたら向こうもauか分からないですけど、全然連絡が取れないです」

待ち合わせをしている友人と合流できなくなったという、auユーザーの男性。

auユーザーの待ち合わせ中の男性:「車(で来ているの)だとは思うんですけど、どこにいるっていうのが分からなくてですね」

駐車場や会場などを探しますが…

ーー駐車場はいくつもありますよね?
「そうですよね」

ーーどこの駐車場かも分からない?
「もう分かんないです。もうそこまで歩く気力も…」

ーーいそうですか?
「多分もういないですね。だから、やっぱり今日仕事で来れなくなったとか、そういう連絡すら(来ない)。来てるんだったら来てるよとか。来れなかったら来れないって、入れてくれると思うんで。それすら受信できていないんで、もうちょっと無理だなと思ってます」

合流をあきらめかけた男性。すると、その時でした。

auユーザーの待ち合わせ中の男性:「あ、でも連絡来た!来た来た!『今橋の下に到着しました』。ちょっと電話かけてみます」

理由はわかりませんが、突然電波が繋がったといいます。しかし…

auユーザーの待ち合わせ中の男性:「またの機会になりました。次、またどこかの花火でということで」

聞けば、連絡が取れた時に友人がいたのは400メートルほど離れた場所。合流のために移動してしまうと、花火の打ち上げの瞬間を見ることができなくなるため、今回は別々に見ることとなったといいます。

auユーザーの待ち合わせ中の男性:「事前に「何時にどこどこでね」というのさえ一言言っていれば、よかったのかなと思います。とりあえず今日、連絡つかずに帰るっていうのはやっぱり、もしずっと花火終わっても探してたらどうしようとか、そういうことも考えちゃうんで、(連絡がついて)よかったといえばよかったです」

全国に大きな混乱をもたらした、通信障害。3日、約39時間ぶりに東日本では通信障害が復旧。西日本ではおよそ33時間ぶりの復旧となりました。

しかし、ネットワークが正常に動くか検証するため、現在もデータ通信と音声通話を規制しているため、つながりづらい状況は3日夜も続きました。いったいなぜ、こんなことが起きたのか。そして、今後も起きる可能性は、あるのでしょうか。ITジャーナリストの三上洋さんに話を聞きました。

大規模通信障害 原因は二重のパンク

ITジャーナリスト 三上洋氏:
「最初に、auの設備内にあったルーターの交換、これは通常の業務です。古いものを新しいものに換えるときに、人為的なミスなのか設定ミスなのかトラブルがあって、15分間だけ止まってしまいました。元に戻したが、15分間止まると15分間たまっていた電話の接続要求がたくさん来たので、パンクしてしまったのです。たくさん来たことによって処理できなくなってしまい、つながりにくい状況になりました。2021年10月にドコモで起きた障害に非常に似ています。それがエスカレートしてしまったという形です」

ITジャーナリスト 三上洋氏:
「今回パンクしてしまった『音声通話交換機』ともう1つさらに、『加入者データベース』というものがあります。これは何かというと、1台1台のユーザーが今どこにいるのかなど。例えば、お台場にいるのでお台場に電波を出しましょうと。そういうものと『音声通話交換機』を示し合わせています。ところが、『音声通話交換機』の方がパンクしています。ですので、たくさんデータが来るのです。そうすると、『加入者データベース』の方もパンクしてしまいます。2つパンクすると2つとも処理不能になるので、2つのデータが一致しなくなってしまいます。ということで、連鎖的にパンクがどんどん続いていって、エスカレートしてしまった。元は15分間なのに、一気に拡大したという形です」

スマホ1台で2回線利用が可能 固定電話はキープを

3日の会見でKDDIの高橋社長は、「定期メンテナンスのルーター交換でこのような事故につながると想定できなかった。我々の甘さと考えている」とコメントしています。ユーザーはこのような事態が起きたとき、どのような対策をすればいいのでしょうか。

ITジャーナリスト 三上洋氏:
「別の回線を準備することが大切になると思います。他にも例えば、公衆Wi-Fiの場所を事前に把握しておくことです。それから、最近のスマホは2回線目の契約が入れられるものが多いです。1台で2回線の利用が可能なのです。1台で2回線もしくは2台目のスマホを持つということも考えてもいいかもしれません。あとは、災害対策にもなるので、現在家に固定電話がある方は、ぜひそれをそのまま持っていていただきたい。固定電話は停電にも強いという特性があるので、災害のためにも今後はまだ固定電話はキープしていただきたいと思います」

(めざまし8 7月4日放送)

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