前理事長による脱税事件など不祥事が相次いだ日本大学で、大学運営の中心となる新しい理事長に、作家の林真理子さんが就任した。合わせて22人で構成される理事会の中で、女性理事が9人就任することも決まった(9人の中には林真理子さんも含む)。

午後5時から記者会見に臨んだ林・新理事長は「卒業生の1人として、この出来事には心を痛め、やむにやまれぬ思いで大役を引き受けた。二度と、このようなことを起こさないために全力を注ぎたい」と意気込みを語った。

また、大学が創設された明治以降、初めて女性理事が誕生したことについて、林・新理事長は「長いこと、女性が1人もいなかった理事会だが、9人が女性で、明らかに新しい風が吹いている」と述べた。その上で、「改革は私たちだけではできない。日大を見守ってください」と訴えた。

新たに就任した女性理事は、林真理子・新理事長の他に、日本大学豊山女子高等学校の柳澤一恵 校長、日大・危機管理学部の永沼淳子教授、文部科学省中央教育審議会委員の熊平美香さん、昭和大学副理事長の上條由美さん、元衆議院法制局参事で弁護士の伊藤ゆみ子さんなど。

林・新理事長は、先月、取材に対して、日大の最も大きな課題として、男性の理事が中心となってきたことを挙げて、「マッチョな体質」と批判。女性登用を積極的に進める考えを示していた。

一方、林・新理事長は、前理事長の脱税事件や、付属病院を舞台とした背任事件など、一連の不祥事について、再び調査する意向を明らかにした。大規模な調査委員会を設置する方針で、「報告書を読んだが、これだけかなと疑念がぬぐえなかった。徹底的に調べて、世間の疑念が解ければいい」と述べた。(画像は、就任会見に臨む林真理子・新理事長 午後5時)

社会部
社会部

今、起きている事件、事故から社会問題まで、幅広い分野に渡って、正確かつ分かりやすく、時に深く掘り下げ、読者に伝えることをモットーとしております。
事件、事故、裁判から、医療、年金、運輸・交通・国土、教育、科学、宇宙、災害・防災など、幅広い分野をフォロー。天皇陛下など皇室の動向、都政から首都圏自治体の行政も担当。社会問題、調査報道については、分野の垣根を越えて取材に取り組んでいます。