静岡県沖の駿河湾で去年発見されたヨコヅナイワシが、水深2000メートル以上に棲息する深海性硬骨魚類では世界最大であることが明らかになった。

深海魚「ヨコヅナイワシ」は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)が静岡県沖の駿河湾で発見し、2021年に新種として登録した。

その後、全長およそ2メートル50センチのヨコヅナイワシの姿を水深2091メートルに設置したカメラで捉えたことからヨコヅナイワシが水深2000メートル以上に棲息する世界最大の深海性硬骨魚類であると発表した。

「ヨコヅナイワシ」は自分自身を捕食するものがいない、生態系の頂点に立つ動物「トップ・プレデター」であることが分かっていて、これまで駿河湾に棲息すると考えられていた。しかし、今回その姿が捉えられたのは、駿河湾から南へ400キロ以上離れた西七島海嶺の元禄海山だった。

ベイトカメラと呼ばれる餌を付けたカメラと環境DNA解析を組み合わせた調査により、今回ヨコヅナイワシの新たな棲息域が明らかになったという。

海洋研究開発機構(JAMSTEC)は「地球環境変動の影響を最も強く受けるのは各生態系のトッププレデターで、それにより食物連鎖が乱れ、やがて生態系全体に壊滅的な損害を与える可能性がある。地球環境の変動が深海の生態系に及ぼす影響についてより正確な研究を継続していきたい」としている。(提供:海洋研究開発機構)

社会部
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