ウクライナから大分県別府市に避難してきた、13歳の男の子。
避難から約2ヵ月が経過した6月20日、市内の中学校に通い始めた。登校初日の様子を取材した。

日本の学校に初登校 その様子は? クラスメートたちも温かく歓迎

別府市青山中学校に初めて登校するストロミン・キリロくん
別府市青山中学校に初めて登校するストロミン・キリロくん
この記事の画像(9枚)

6月20日、別府市の青山中学校に初めて登校したのは、2022年4月にウクライナから避難してきたストロミン・キリロくん(13)。

Q.緊張する?
キリロくんの母親:

彼は全然緊張してない。私だけ(緊張している)

キリロくんを温かく迎え入れるクラスメートたち
キリロくんを温かく迎え入れるクラスメートたち

キリロくんのクラスは2年1組。教室に着くと、クラスメートたちが大きな拍手で迎え入れた。

クラスメート:
ようこそ2年1組へ。生活はしにくいと思うけど一緒に頑張ろうね

クラスメートたちはタブレット端末の翻訳機能を使って、キリロくんに歓迎の言葉を伝えていた。

クラスメートたちと日本の伝統的な遊びを体験するキリロくん
クラスメートたちと日本の伝統的な遊びを体験するキリロくん

この後早速、百人一首の札を使った日本の伝統的な遊びを体験したキリロくん。生徒たちも、キリロくんとの学校生活を楽しみにしていたという。

生徒:
向こうのことも聞きながら楽しく生活していきたい。一緒に楽しんで、プライベートとかでも学校以外のところでも仲良くできたら

日本の給食も初めて
日本の給食も初めて

給食の時間帯にはお互いにコミュニケーションをとる様子も。日本の給食もキリロくんにとって初めての体験となる。

「なかなかないこの縁を大切に」

キリロくんは、学校では生徒と一緒に授業を受けるが、国語と社会の時間だけは専門の指導員から日本語を学ぶという。

キリロくんの担任・江藤慶 先生:
とにかく心穏やかに、楽しい時間を生徒たちと作っていってほしい。(生徒たちも)なかなかないこの縁を大事に、違う文化の子どもと接することをいい機会にしてくれたら嬉しい

登校初日を終えたキリロくん。日本の学校はどうだったのだろうか。

ストロミン・キリロくん:
学校大好き。楽しかった。新しい友達、先生ができて全部楽しかった

キリロくんはウクライナの学校のオンライン授業があるため、青山中学校では午前中のみ授業を受ける。

就労の動きも…歯科医院で働き 目標は「日本での免許取得」

一方、就労の動きも進んでいる。

別府市の歯科医院で働くミハイロフ・ミキータさん
別府市の歯科医院で働くミハイロフ・ミキータさん

別府市の歯科医院「ルミエール歯科」で治療の補助を行っているのは、ミハイロフ・ミキータさん(23)だ。ミキータさんはウクライナで歯科大学を卒業後、歯科医師として働いていた。ウクライナの歯科医師免許は日本では使えないが、5月末から、婚約者のスコリューク・ヤーナさんとともに、週に5日働いている。

ミキータさんは週5日、歯科助手として働いている
ミキータさんは週5日、歯科助手として働いている

ミキータさんは歯科医師などの助手を、ヤーナさんは器具の滅菌作業などを担当していて、2人も英語や翻訳機などでコミュニケーションを取っている。

スコリューク・ヤーナさん:
皆さんすごく優しくて、いろんなことを教えてくれて助けてくれる

院長が2人の就労を後押し

2人は、共に避難してきた家族の治療に付き添った際、院長から声をかけられて働くようになったそうだ。

院長との縁で働きはじめたミキータさん(左)とヤーナさん(右)
院長との縁で働きはじめたミキータさん(左)とヤーナさん(右)

ミハイロフ・ミキータさん:
とても楽しいし、こうやって働けることがすごく嬉しい。院長に声をかけてもらって感謝しているし、歯科医として成長できる機会をもらえたと思っている

目標は「日本で免許取得」

ミキータさんは日本語をマスターし、日本で歯科医師免許を取得することを目標にしているという。

ルミエール歯科・藤井茂仁 院長:
大変だと一言で解決できるものじゃないと思うが、何かできることはないのかなと。彼たちの自立の道をサポートできればいいと思う

避難から約2ヵ月…各々が歩みを進める

避難から約2か月
避難から約2か月

避難者の教育や就労についてはまだまだ多くの課題が残っているが、避難してきた人たちは、言葉や文化の壁などを乗り越えながら、少しずつ歩みを進めている。

(テレビ大分)