史上最速の「梅雨明け」となった北陸地方。連日の猛暑で、熱中症で搬送される人が相次いでいる。
こうした中、あるものを飲むことで熱中症の予防につながるという。その「あるもの」とは?
熱中症予防には「牛乳」

記者:
この時期に怖いのが熱中症。それを予防するカギは牛乳です!
石川・内灘町にあるホリ牧場。牛たちも木陰で暑さをしのいでいた。その牛たちが出してくれる牛乳が、熱中症の予防に効果があるという。
なぜ牛乳で熱中症予防になるのか?

信州大学 能勢博特任教授:
アルブミンというタンパク質の材料が、牛乳から提供されて血液量が増える。(アルブミンは)血管外から血管の内側に向かって水を引き込む

スポーツ医科学が専門の能勢博特任教授によると、血管中の血液量や体内の水分量を調整するアルブミンという成分は、牛乳に含まれるタンパク質をもとに作られる。

そのアルブミンが増えることで、血液中の水分を増加させ血流が良くなる。血液の循環がよくなると身体が気温の変化に対応できるようになることから、熱中症の予防につながるというのだ。

信州大学 能勢博特任教授:
スポーツドリンクは(体内の水分量を)維持するんだよね。汗をかいたら、それを補うのがスポーツドリンク。牛乳っていうのは、体内の水分量を増やすんです

先ほどのホリ牧場では…
ホリ牧場 堀達夫牧場長:
自分で自由に日陰入ったり、牛も暑さに強いやつもいれば弱いやつもいるんで

2022年は物価高で牛の餌も暴騰し、例年以上に厳しい夏となった。それでも炎天下での作業は続く…

ホリ牧場 堀達夫牧場長:
(私は)夏も仕事しないといけないので、熱中症になるわけにはいかないので。必ず朝晩絞ってて飲む機会があるので、ここまで大きくなったのも牛乳のおかげだと思っています

牛乳と運動で効果アップ
熱中症予防に効果があるという牛乳。
しかし、ただ牛乳を飲めばいいわけではないそうだ。
信州大学 能勢博特任教授:
たんぱく質食べててもダメなのよ、運動して、たんぱく合成をあげておく

暑さに強い身体を作るには「運動+牛乳」

能勢特任教授は、週に3日ほど「早歩き」と「ゆっくり歩き」、これを交互に3分づつ繰り返す「インターバル速歩」をすすめている。20~30代なら早くて1週間、40代以上なら2~3週間で効果が現れるという。

信州大学 能勢博特任教授:
ややきつい運動をした直後、30分以内に牛乳とかヨーグルトを摂取してください。体温調節機能が上がって、熱中症リスクを下げることができます。これは積極的な攻めの熱中症予防なんだよね。急に梅雨明けが起こって問題になってますけど、今からでも遅くはない

熱中症にならないよう、まずは牛乳と運動で丈夫な体作りを初めてみてはいかがだろうか?
(石川テレビ)