「浮き指」という言葉をご存知だろうか? 立った時に足の指が1本でも地面につかず宙に浮いた状態のことで、大阪府泉大津市が4~5歳児102人を調べたところ約8割が該当したという。
かかとに重心が偏ることで、指先に力を入れて踏ん張れないという。

市によると現代の子どもの約8割は足部に何らかの異常を抱えていて、そのため集中力の欠如、姿勢の悪さ、怪我のしやすさ、冷え性、首・肩こりなど、様々な不具合の原因になっているという。
また高齢者が「転倒」して要介護になる本質的な原因は「浮き指」にあるとして、市では官民一体となって、足の指を鍛えて正しい姿勢を作る「あしゆびプロジェクト」に2018年から取り組んでいる。

同プロジェクトでは足指を鍛えることで体幹を安定させ、正しい姿勢を身につけることで生涯元気に暮らせるまちづくりを目指しているという。
すべての足指が着く人はほぼゼロ
では具体的に、泉大津市の「あしゆびプロジェクト」では何をしているのか?昨今のコロナ禍の影響は出ているのか?
泉大津市の担当者に聞いてみた。
――浮き指は増えている?
調査によると成人の男性で約7割、女性で約8割の人が浮き指と言われており、市が行っている「あしゆび市民モニター」事業での初回測定においても、両足の指10本すべてが着指している人はほぼおらず、モニター事業初年度の令和2年度では、着指が1~3本が約20%、4~6本が約45%、7本以上が約35%という結果でした。
――コロナ禍の影響はある?
コロナ禍による外出自粛や在宅勤務等により身体活動が少なくなることで、筋力低下を引き起こしていることが考えられ、高齢期だけでなく若い世代での筋力低下も懸念されています。筋力低下は腰痛や歩行障がいにつながる恐れもあり、健康な体づくりのためにもあしゆびをしっかり整え、体幹を安定させることが大切だと考えています。