最重量級の頂点へ。亡き父への誓い

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柔道界の若き新星、100kg超級の斉藤立(たつる)、20歳。規格外の体格は幼い頃から、足のサイズは中学生の時点で34cmと、靴箱には斜めに入れないと収まりきらないほどだ。そんな彼にはその体格さながらのビッグな野望がある。

「お父さんの現役時代が目標っていうのを自分の心の中に立てています」

父は柔道界のレジェンド斉藤仁さん

彼の父親は日本柔道界のレジェンド斉藤仁さん。88年のソウル五輪では日本唯一の金メダルを獲得するなど、最重量級で84年のロサンゼルス五輪に続き連覇。現役引退後は日本代表の監督として鈴木桂治、石井慧ら数々のメダリストを育てるなど、日本柔道界をけん引した。

しかし、仁さんは7年前の2015年、斉藤が中学生の時に癌により54歳の若さでこの世を去った。斉藤は当時をこう振り返る。

「一番最期に言われた『稽古に行け』という言葉はずっと心にあります」

仁さんが亡くなる直前に残した「稽古に行け」という言葉。この言葉が練習嫌いだった斉藤の背中を強く押した。

2016年全国中学校柔道大会で優勝、2018年全国高校総体で優勝、今年4月、体重無差別で日本一を決める日本選手権で現・世界王者の影浦心(26)を破り初優勝。世界選手権への切符を初めてつかんだ。しかし、男はこの結果に満足なんてしていなかった。

「オリンピックで優勝するからです。父と同じレベルに立ったとは思っていないので、全然まだまだこれからやっていきたいと思います」

最重量級の頂点へ。亡き父への誓い

彼が目指すのは父・仁さんが2度制した五輪最重量級の頂点。その場所に立ち、実現させたい願いがあるから。

「五輪の表彰台でお父さんの遺影をパって掲げてみたいです」

柔道界期待のサラブレッド・斉藤立。2024年パリ五輪へ、父の背中を追い大きく歩みを進める。

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7月9日(土)24時35分から
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