急速に進む円安やウクライナ情勢などの影響で、畜産業界が厳しい状況に追い込まれている。酪農家は飼育数の調整などで対応しているが、乳牛の餌に使う穀物の高騰が重くのしかかる。悲鳴を上げている酪農家の現状を取材した。

円安やウクライナ情勢の影響で…配合飼料の価格2割近く高騰

県酪農協議会 横尾文三会長:
われわれの力ではどうしようもないところで、こういう経営危機を迎えている。53年間の中では一番今が厳しいかもしれない

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神埼市脊振町にある、ミルン脊振牧場。
約30頭の牛を飼育する横尾文三さんは、酪農に携わり53年。現在、県酪農協議会の会長も務めている。

県酪農協議会 横尾文三会長:
ほとんどウクライナとかアメリカとか輸入品ばかり。日本の穀物はない

乳牛1頭につき、1日15kgの干し草とトウモロコシなどの穀物を混ぜ合わせた配合飼料が13kg必要。
しかし、円安やウクライナ情勢の影響で、乳牛の餌となる配合飼料の価格が2割ほど高騰。飼料のほとんどを輸入に頼っていたことから、酪農家の経営を圧迫している。

県酪農協議会 横尾文三会長:
人間でも1日2,000円食べる人あまりいないでしょ?牛は2,000円くらい食べさせないと、30kg乳が出ない

乳牛の栄養状態や生乳の量を維持するため、餌の量は変えられず、横尾さんは飼育数を減らした。
さらに、生乳の栄養バランスを崩さないよう算出したうえで、必要以上の餌を与えないなど経費削減に努めている。

「継続するための支援・辞めずに済むような施策を」

県酪農協議会 横尾文三会長:
ここで諦める酪農家がどっと出てくる。間違いなく。先が見えない。仕事として成り立たないのであれば、後継者も育たない

生産者の厳しい状況を受け、JA佐賀中央会などは6月17日、国への働きかけや県独自の対応を求めた。

一方、国は6月21日に、岸田首相が飼料コストの抑制に向けた新たな支援を表明した。

国が支援を表明

県酪農協議会 横尾文三会長:
一回辞めた農家は二度と復帰しない。継続するための支援、辞めずに済むような施策をしていただければと思っている

県酪農協議会 横尾文三会長:
(消費者には)1本でも余計に飲んでくださいというのが正直なところ。それしかない

乳牛の餌代など経費が急激に増えていく中、すぐに生乳の販売価格に反映できない業界の仕組みがあり、支出だけが増え続けていく。
飼料価格の高騰は、長引くことが予測され、一刻も早い国、県の支援が待たれる。

(サガテレビ)

記事 406 サガテレビ

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