北陸新幹線の福井開業を2024年春に控え、福井県は13日、「福井の方言」を全国に発信するプロジェクトを立ち上げた。
PRの“担当知事”に就任したのは、福井市出身の俳優、津田寛治さん。方言で福井ブームに火をつけるのができるのか、プロジェクトの狙いに迫った。
出身俳優が「福井の方言」をPR
県庁で開かれた初の“知事会見”に臨んだのは、俳優の津田寛治さん。津田さんが就任したのは、福井県の「おもてなし担当知事」という役職で、福井の方言を積極的に発信するのが仕事となる。会見で話す言葉は当然、津田さんが話してきた福井市の方言だ。
県おもてなし担当知事・津田寛治さん(福井市出身):
福井県おもてなし担当知事は、福井をもっと盛り上げるために「福井の方言愛着ましましプロジェクト」っちゅうのを立ち上げることを、ここに宣言します!
プロジェクトは県民全体で福井の方言に理解を深め、また発信することで福井に愛着を感じてもらうというもの。その第1弾として作成したプロモーション動画では、方言を話す担当知事・津田さんと県職員らが、どのように方言をPRするかを議論する様子が描かれている。
県おもてなし担当知事・津田寛治さん(福井市出身):
学生を巻き込んでつくるという発想がいいがの!さえてるのぉ、きょうのぉ
県職員:
ありがとうございます!
このプロジェクトは主に3つで構成される。
1つは福井の方言を使った映画の制作だ。出演者や監督など、主なスタッフは福井県民。県内の名所など舞台に撮影を進める。
2つ目は、方言を使ったTシャツとLINEスタンプの一般公募を実施する。県民らに投票を呼びかけ、人気が高かったデザインは商品化する計画だ。
最後は津田さんオススメの、県内学生による「方言辞典」の作成だ。「じいちゃん、ばあちゃんが話すディープな方言」を今の高校生らが聞き取り、まとめることで後世に残すのが目的だ。
津田さんは「今話している方言はマイルドになっている」と話す。何世代も前から継承される方言の歴史を調べ、そして使うことで、故郷への愛着も深まるという。普段からも方言を恥ずかしがることなく、積極的に使ってほしいと呼びかけた。
県おもてなし担当知事・津田寛治さん(福井市出身):
テレビのニュースでも、アナウンサーが「それでは続いては天気予報です」と言うのを、「ほな次、天気予報いくでの」と方言で言うとか。難しいとは思うが、ポイントポイントでいいから、方言を使ってもらうとうれしい
福井県の北部は「嶺北」、南部は「嶺南」と呼ばれ、嶺北と嶺南では方言は大きく異なる。また、市町別にみても微妙な違いがある。方言辞典をまとめる過程で、福井の若者たちは方言だけでなく、脈々と受け継がれる福井の歴史と文化にも理解を深めることになる。
(福井テレビ)