去年1年間に山で遭難した人は、おととしより増え、特に首都圏近郊の増加が目立った。新型コロナの影響が要因とみられる。警察庁が、9日午前、発表した。

警察庁によると、去年、起きた山岳遭難事故は2635件で、おととしから341件増えた。遭難した人は3075人にのぼった(前年比378人増)。

新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛の影響などにより、登山に出かける人が、おととしは大幅に減り、山岳遭難の件数も減った。しかし、去年は、一転して増加し、過去2番目の多さとなった(最多は2018年・2661件)

山岳遭難の傾向としては、例年に比べて、富士山など3000メートル級の山での遭難者は減ったが、高尾山や秩父山系など首都圏近郊の山での事故が増えた。警察庁は、閉鎖されていた登山道や山小屋が再開し、登山に出かける人が増加した他、密を避けるアウトドア需需要により、近場での外出が増えたのが一因とみている。

一方、去年1年間に起きた水の事故は、1395件(前年比42件増)、水難者が1625人(前年比78人増)だった。例年と比べると、海での水難事故は減ったが、河川では増えた。死亡・行方不明になった子ども(中学生以下)のおよそ6割が川での水難事故だった。(画像は、去年7月の高尾山の様子)

社会部
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