家計にも心配な光熱費の高騰が続いているが、多くの生き物を飼育する水族館でも、その影響は重大。新潟市中央区にある水族館「マリンピア日本海」で実情を聞いた。

生命維持に必要な電気 見込まれる電気代は3割増

マリンピア日本海 野村卓之 館長:
このあたりは深海生物のエリア。ここの水槽が、マリンピアの中で一番冷たい水槽ですね

マリンピア日本海(新潟市中央区)
マリンピア日本海(新潟市中央区)
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佐渡沖周辺の水深300mに生息するホッコクアカエビ。水槽内を1~2C°に保つ必要がある。

ホッコクアカエビ
ホッコクアカエビ

そのバックヤードでは…

松村道子 キャスター:
温度管理の機械を見ると、つまみが0C°になっています

0℃に設定
0℃に設定

マリンピア日本海 野村卓之 館長:
“思い切り冷やしている”ということ

600種類の生き物を展示する「マリンピア日本海」が今、電気代の高騰で大きなピンチに見舞われている。

マリンピア日本海 野村卓之 館長:
もともと水族館は、電気エネルギーを使って生命維持をしている施設なので、ふだんだと電気代だけで7000万円。それがプラス2300万くらいになる見通し。今までなかった事態

マリンピア日本海 野村卓之 館長
マリンピア日本海 野村卓之 館長

1年で7400万円ほどと見込んでいた電気代は2022年度、3割増の1億円に迫ると予想され、ガス代も例年を500万円ほど上回る見通しとなっている。

マリンピア日本海の光熱費
マリンピア日本海の光熱費

マリンピア日本海 野村卓之 館長:
今年に入って、急に上がった

「ギリギリの節電」…節電対象ではない飼育機器にも影響

松村道子 キャスター:
こちらでは大きなエイが悠々と泳いでいます。この日本海大水槽は、800立方メートルという大きな水槽です。この水槽の水質管理にも、光熱費の高騰が大きな影響を及ぼしています

大きな日本海大水槽
大きな日本海大水槽

日本海大水槽の水質を維持している濾過器は全部で10台。これらの濾過器を動かしているのは4台の循環ポンプだが…

普段は4台の循環ポンプが稼働
普段は4台の循環ポンプが稼働

マリンピア日本海 野村卓之 館長:
現在、3台運転していて1台は休ませている

(Q.節電のためにポンプを止めることはあった?)
マリンピア日本海 野村卓之 館長:
基本的には設計通りに運用するため、飼育機器を節電対象にすることはなかなかないが、消費電力の大きいものなので、生き物の様子を観察しながら、ギリギリの節電を行っている

スタッフが使用する場所は“節電強化” それでも限界が…

一方、スタッフが使用する場所での節電は、よりシビアだ。

マリンピア日本海 野村卓之 館長:
節電状態なので、ちょっと薄暗いですけど

スタッフが使用する場所の蛍光灯は、本当に必要な部分以外消されていた。

マリンピア日本海 野村卓之 館長:
職員が関わるところは、もう思い切り節電している

それでも、着手できる節電には限りがあり、光熱費の高騰に歯止めが掛かることを祈る状況が続いている。

マリンピア日本海 野村卓之 館長:
可能な限り節約しながら、頑張って生き物たちを維持していこうと思っている。皆さんには変わらずに水族館に来ていただいて、楽しんでいただければ

(NST新潟総合テレビ)

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NST新潟総合テレビ
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