踏切を一緒に渡った愛犬の様子がちょっとおかしい。鉄道会社に聞いたら、意外な原因がわかった。そんなことがTwitterで注目されている。

関西地方に住む、飼い主さん(@Aefh3sg0R43qi3o)は2021年末、シベリアンハスキーのマリナちゃん(メス・2歳)と散歩をしたところ、踏切を渡る途中で「ギャン!」という音を聞いた。

マリナちゃん(提供:飼い主さん)
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爆竹でも鳴ったのかと思い、辺りを見ながら歩くともう一度「ギャン!」。音の出所はマリナちゃんの鳴き声だったという。線路でやけどなどをしたのではと思ったが、レールを触っても熱くはなく、マリナちゃんの足裏にも異常はなかったという。

この踏切は何度も通っていて、いつもと違うのは、電車の上下線が通過した直後に渡ったくらいだったとのこと。不思議に思った飼い主さんは、踏切を管理する阪急電鉄にメールで質問した。

線路を流れる電流が一時的に強くなったか

そこで阪急電鉄は現地調査を実施。電車の通過直後に線路を流れる「電流」が一時的に強くなり、これに驚いたと思われることが分かったという。マリナちゃんは元気だが、踏切が苦手になってしまったとのことで、今は飼い主さんが抱っこをして渡っているという。

踏切を嫌がるマリナちゃん(左)、抱っこして渡る様子(右)(提供:飼い主さん)

飼い主さんは対応に感謝しつつ、注意喚起の意味を込めてTwitterに経緯を投稿。すると、3万6000以上もリツイートをされるなど、大きな関心を集めることになった。(5月20日時点)

飼い主さんに詳細を聞いたところ、周囲からは「爪でも引っかかったのは」などと言われたが、上下線のレールを渡ったときに鳴き声をあげたことから、原因を聞きたくなったのだという。

マリナちゃんは元気(提供:飼い主さん)

飼い主さんは反響に驚きつつ、阪急電鉄には「反応が大きかったのは、鉄道会社さんの真摯で丁寧な対応に皆様が感銘を受けた事が大きいと思います」と感謝。「これからもマリナの些細な反応は何か意味のある事と気付いてあげたい」としていた。

電車の通過直後は電流が強くなる“場合がある”

マリナちゃんが元気なのは一安心だが、線路に電流が流れているのは気になるところ。対策はできるのだろうか。阪急電鉄の担当者に聞いた。


――線路にはなぜ電流が流れているの?

大きさの大小はありますが、弊社では、全ての線路で「電車の動力となるモーター駆動や空調設備などで使用した電気がレールを通して変電所に戻るための電流(帰線電流)」「列車の位置に応じて信号機の制御を行うための電流」。これらの電気が常に流れています。

電流は信号機の制御のためにも必要(画像はイメージ)

――電車の通過で電流が強くなるのはなぜ?

正確には「通過直後は電流が強くなる“場合がある”」ことになります。理由は、電車の通過直後に線路に流れる電流(帰線電流)は、列車の加速減速などの運転状況や編成両数、列車本数など様々な条件が関係しているためです。例えば、列車が加速する際には帰線電流は強くなります。

一般的な電車は電車や冷暖房などを動かすための電流が、パンタグラフを通じて供給され、使い終わると線路を通じて流れる仕組みになっています。電車の加速時や複数が走行していたりするときには、電気をより使うことも考えられます。


――電流が強まっていることは分かるの?

専用の記録計を設置して測定しないとわからないのが現状です。(今回の踏切は)「電圧」を測定できる計測器を使用して確認しました。ただ、踏切に不備があるというわけではありません。


――電流の強さや元に戻るまでの時間は?

電気を供給・還流する変電所間にある列車の加速時間や運行本数などの条件により異なるため、一概には言えません。

安全運行にも関わるので対策は難しいのが現状

――過去に同じことはあった?ペットへの影響は?

過去10年間の記録を確認しましたが、問い合わせを受けた記録はございませんでした。人体には靴を履いていることもあり、問題はございませんが、靴を履かないご愛犬などに関しては素足であり、電気を敏感に感じ取る可能性はあると考えられます。


――電流を弱めたりすることはできるの?

電車を運行する上、レールに流れている電流をゼロにすることはできず、信号の制御にも使用をしております。いろいろと検討を重ねておりますが、電流を弱めるための措置を行うと、列車の安全運行に影響を及ぼすなどの可能性もあり、対策は難しいのが現状です。


――ペットを飼われている人に伝えたいことは?

大きさの大小はありますが、レールには常に電気が流れております。素足で歩行されるご愛犬などに関しましては、レールを踏ませないようにご通行いただけると幸いです。

抱っこなどをしてもいいかもしれない(画像はイメージ)

電車の安全走行のためには、一定の電流が線路に流れるのは避けられないようだ。気になる飼い主さんたちは踏切を渡るとき、ペットがレールを踏まないように心がけたり、電車の通過直後は少し待ってみたりしてみてもいいかもしれない。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。

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