「月額0円」終了へ 7月からは最低1078円

楽天モバイルは、最低「0円」としていた月額料金を980円(税込み1078円)へ引き上げると発表した。

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楽天モバイルが13日に発表した新しい料金プラン「Rakuten UN-LIMIT Ⅶ」は、これまでと同様に1カ月のデータ利用量に応じて月額料金が変わるプランで、7月1日から開始される。

データ利用量が1GB以下は月額料金「0円」としていたこれまでの料金プランは廃止し、3GB以下で980円(税込み1078円)、20GB以下で1980円(税込み2178円)、20GBを超えた場合は2980円(税込み3278円)となる。

楽天モバイルの三木谷会長は会見で、この新プランについて「相当収益貢献は大きい」とした上で、長期間維持する方針を示した。

収益面を改善し基地局整備などの投資に充て、サービス向上を図っていくとしている。

なぜ、このタイミングで?

三田友梨佳キャスター:
このニュースについて、経済アナリストの馬渕磨理子さんに伺います。

月額の最低料金を0円から引き上げということですが、なぜこのタイミングでの引き上げなのでしょうか。

経済アナリスト・馬渕磨理子さん:
楽天は第4の携帯キャリアとして業界に参入して以来、堅調なECの売り上げを圧迫するほどの大幅な損失を出すモバイル事業に投資を続けてきました。昨年12月期の通期のデータによると、ECなどインターネットサービスと金融事業による営業利益は約2000億円ありましたが、携帯事業の赤字は約4200億円です。

今回の値上げは、この先の目標である携帯事業の2023年中の単月黒字化に向けた収益改善のためだと考えられます。

現状は赤字…それでもモバイル事業に参入した理由とは

三田キャスター:
楽天がそこまでしてモバイル事業に参入したのは、どうしてなのでしょうか。

経済アナリスト・馬渕磨理子さん:
楽天の最大の特徴は、あらゆるコンテンツ事業を持っていて、網羅的な戦略を構築できている数少ない企業だということです。

どういうことかというと、ユーザーは「楽天市場」で買い物をし、「楽天トラベル」で旅行を予約、支払いは「楽天カード」で決済できる。さらに貯まったポイントを使い「楽天証券」で株式投資もできますし、余暇は「Rakutenブックス」で楽しむこともできるのです。

ここに「モバイル事業」が加わることで、より多くのユーザーをサイトに呼び込み、楽天の強みをより一層強化したいという狙いがあると思います。

「お得感」や「使いやすさ」 体験価値の競争へ

三田キャスター:
その狙いに対して、今回の値上げはどう影響してくるとみていますか。

経済アナリスト・馬渕磨理子さん:
値上げをすることで一定数のユーザーが離れることも考えられますが、その代わり、楽天市場の買い物で最大6倍の楽天ポイントを付与することも挙げています。

行政の声かけなどによって、携帯料金が下がった今、携帯各社の競争は間違いなく「料金」ではなく「お得感」や「使いやすさ」など体験価値のあるものの競争になってきています。

楽天は付加価値を提供できる企業であるとアピールする狙いもあるかと思います。

(「Live News α」5月13日放送より)