スマホが当たり前の今、インターネットやメールなどを利用したサイバー犯罪が急増している。石川県警がサイバー犯罪防止へ本腰をあげた。

若手警察官にサイバー犯罪捜査を指南

採用試験に合格した警察官が入校するのが警察学校。警察官としての基本となる初任教育が行われる。ここで今年度初めて実施されたのが「サイバー犯罪捜査」だ。専門の授業として石川県警が実施するのは初めてだという。

サイバー犯罪に特化した授業は石川県警で初めて
サイバー犯罪に特化した授業は石川県警で初めて
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初回の授業では、パソコンを使いながら、メールの送り主や発信日時などの情報をまとめたメールヘッダの見方など、サイバー犯罪捜査の基礎知識について演習形式で行った。指導するのは2022年3月に石川県警に新設された「サイバー犯罪対策課」のメンバーだ。

石川での相談件数が過去最多に

石川県警が「サイバー犯罪対策課」を新設した理由は、サイバー犯罪の相談件数が急増しているから。2021年は過去最多の2601件となり、コロナ禍でインターネットを利用する機会が増えたためではないかと分析している。

石川県内のサイバー犯罪相談件数
石川県内のサイバー犯罪相談件数

サイバー犯罪の手口は年々巧妙化していて、特殊詐欺と同様、今後も被害が増える可能性はある。警察官が若いうちから、こうしたサイバー犯罪の傾向や捜査の手法を学ぶことは、犯罪を抑止する上でも重要だ。

石川県警本部サイバー犯罪対策課 表豊次席:
学生の方にサイバー犯罪捜査の基礎知識、また重要性を学んでいただくことにより若手警察官の
レベルアップ、そして県警全体のレベルアップを図ってまいりたいと考えております。

いたちごっこで巧妙化する手口…対策は?

それでは、私たちはどうやってサイバー犯罪から身を守れば良いのか。

例えば突然、自分のスマホやパソコンに、通販サイトをうたうメールが届いた場合。内容は「パスワードの更新が必要だ」「情報を変更しないと会員停止となる」など、それらしい文言が並ぶ。

カード番号やパスワードなどが盗まれる「フィッシング詐欺」
カード番号やパスワードなどが盗まれる「フィッシング詐欺」

本文に書かれたリンクにアクセスすると偽のホームページにつながり、クレジットカード番号や住所などの個人情報を登録するよう促される。これは「フィッシング詐欺」と呼ばれる手口で、入力した情報が第三者に悪用されてしまう。リンク先のホームページも実在するものとデザインがほとんど同じで、見分けがつかないものも多い。

また被害に気付いても、犯人側はメールの送り主を偽装したり外国を経由してメールを送ったりして、警察の捜査を難しくしているケースがあるという。

警察の捜査が難航するケースも
警察の捜査が難航するケースも

では、いったいどうすればよいのか。怪しいメールや身に覚えのないメールが来たらファイルを決して開かず、家族や最寄りの警察署に相談するなど被害にあわないことが重要だ。

さらに「こういう手口がある」ということを、家族や友人同士で話し合っておくことで「もしかしたらサイバー犯罪かも?」と気づくポイントになり、被害を未然に防ぐことにつながる。

(石川テレビ)

石川テレビ
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