ゴールデンウィーク最後の週末に向けて餃子に関するイベントが大盛況。いま、餃子界が驚くべき進化をとげています。

宇都宮・浜松を抑え初の1位になったのは…

子供から大人まで、夢中で食べている熱々の餃子。北は北海道から南は福岡まで全国の有名店の餃子が集結した「クラフト餃子フェス」は朝から大盛況。あまりの盛り上がりぶりに5月5日、東京会場では入場が100分待ちになる事態に。

クラフト餃子フェスの来場者
ビールと餃子は最高だよね。背脂水餃子。ジューシーで食べ応えもあって、それが1番おいしかったです

そんな“みんなが大好き”な餃子。お客さんたちに「餃子の街といえば?」と尋ねてみると…

クラフト餃子フェスの来場者
餃子だったら宇都宮

――なぜギョーザの街といえば宇都宮?

クラフト餃子フェスの来場者
宇都宮餃子ってよく聞いたことあるんで、有名なのかなって

クラフト餃子フェスの来場者
浜松、浜松。浜松餃子って聞くので

言わずと知れた「餃子の街」の2大巨頭は、栃木県・宇都宮市と静岡県・浜松市。

野菜たっぷりの「宇都宮餃子」と…

この記事の画像(16枚)

真ん中にもやしが盛られる「浜松餃子」。

これまで、餃子の年間購入額ランキングでしのぎを削ってきた両者。しかし、最新の調査でこの餃子2大都市に割って入る存在が登場したのです。

「餃子の日本一が変わった!日本の“国民食” 餃子に新時代が到来!?」について解説します。

餃子界のニューフェイス「宮﨑餃子」って何?

なぜ、日本ではこんなに餃子に熱いのか?

好きな料理アンケートを見ると「寿司」「焼肉」「カレーライス」に次いで4位に「餃子」がつけ、「ラーメン」より上位の結果に。

多くの家庭で親しまれている餃子ですが、全国に餃子の種類はどのくらいあるのでしょうか?

めざまし8は、焼き餃子協会の代表理事の小野寺力さんに話を聞きました。

焼き餃子協会代表理事 小野寺力さん
お取り寄せできる餃子だけでも、だいたい、2年前に数えたときに1200種類くらいありまして、コロナ禍でもかなり増えているので、2000近いんじゃないかなと思います

なんと、2000種類近い餃子が取り寄せ可能ということです。実際に、餃子の2大巨頭、宇都宮と浜松の餃子の特徴はというと…

宇都宮餃子は肉・ニンニクが少なめ、ニラ・白菜が多いのが特徴です。野菜の割合が高く、おなかにたまらず、いっぱい食べられてしまうと言います。

浜松餃子も地元のキャベツ・白菜などを多く使用していて、なんとも優しい味わい。特徴としては盛り付け方。丸形に盛って真ん中にゆでもやしを置きます。

しかし、いまこの2大巨頭がいま脅かされているというのです。

どういうことなのかというと、餃子の年間購入額(1世帯あたり)というランキングを見てみると、5位京都市、4位千葉市、そして2大巨頭の浜松、宇都宮がなんと2位、3位。

1位はどこなのかというと、宮崎市という意外な結果に。

このデータは、外食で使った餃子のお金は入っていません。あくまでもスーパーのお総菜やテイクアウトなどで買ってきたものの金額です。

ここにきて宮崎が突然強くなったわけではなくて、過去7年のランキングを見ても、宮崎市は何度も3位につけていたことがわかります。

今回初めて1位になった宮崎餃子は一体どういうものなのか?

調べてみたら、宮崎では餃子が朝ご飯に出てきたり、冠婚葬祭、結婚式にもなんと餃子が出てくるというのです。

「テイクアウトが主流」豊富な種類が魅力の宮崎餃子

じわじわと人気が増していっている宮崎餃子。

その宮崎餃子を愛して発信している“宮崎ギョーザ王子”こと恒吉浩之さんに話を聞きました。宮崎餃子には、これといったレシピや特徴などの定義がそもそもないということです。

宮崎県産の材料を使っているということだけなので、大変オリジナリティーあふれるものが、かなり多種あるそうです。

宮崎市では外食で食べるのではなく、生餃子を持ち帰って食べる持ち帰り餃子が非常に増えているということですが、しかし、宮崎県民なら誰もが知っている有名店も存在しています。

宮崎出身のクラフト餃子フェス来場者
「ぎょうざの丸岡」っていうのがあって、それが一番有名だと思う宮崎で

“宮崎ギョーザ王子”の恒吉さん曰く「ぎょうざの丸岡」さんが宮崎餃子の絶対王者。

とにかくキャベツがどっさりと入っていてシャキシャキの歯ごたえが特徴です。その他にも、ニンニクやネギ、豚肉が入っている羽根つき餃子。こちらのお店も持ち帰り専門店だということで、皆さん自宅で焼いて食べているということなんです。

今回1位になった宮崎は、外食ではあまり食べないで、持ち帰りばかりなのでしょうか。

焼き餃子協会代表理事 小野寺力さん
宮崎市内にいてもあまり外食の餃子専門店って少なくて、本当に宮崎の方々はご自宅で焼いて食べるっていうことが多いですね

家で、もしかしたらアレンジして、なんていう方もいらっしゃるかもしれません。

つけダレも、ポン酢、ゆずこしょう、日向夏ドレッシングなどたくさんあって、実は定番のしょうゆは使わないことが多いそうです。

ここまで宮崎の餃子が有名になったのは、豊富な食材にも理由が…

生産量と飼養数で宮崎県は鶏肉、豚肉が全国1位、2位。また、餃子には欠かせないニラも全国4位ということで、県内の食糧自給率は驚きの284%となっています。

宮崎県民は食へのこだわりがあって、探究心も強いことも特徴といえるかもしれません。

朝食にも餃子!?宮崎市が餃子日本一の理由

宮崎では、皆さん餃子が好きで、いろんな場面で餃子が登場するそう。

1つ目は、朝食にも餃子が出てくる。低価格で手軽に調理できるので、朝ささっと作って出すことも多いのだとか。

2つ目は、100個購入は当たり前。5個、10個とかで買うのではなく、お店に行ったら100個くらいぽんと買ってきて、近所の人に手土産であげるという文化もあるそうです。

そして驚きの3つ目が、なんと冠婚葬祭にも餃子。実際の結婚式での写真には、ウェディングケーキの代わりに巨大な餃子を持って記念撮影をする新婚カップルが写っています。

“宮崎ギョーザ王子”こと恒吉浩之氏になぜ宮崎の人が餃子好きなのか聞くと「宮崎市はお子さんが多いご家庭が多いので、安価なものとおいしいもの、そして一度にたくさん作ることができるので、餃子が好まれるのではないか」ということです。

厚労省が出している合計特殊出生率で宮崎県は沖縄県に次いで全国2位と、確かにお子さんが多めなのでたくさん食べるということもあるのかもしれません。

では、なぜ宮崎はこれまで1位にならなかったのか?そして、今年発表のデータで1位になったのはなぜか?という疑問については…

有名な宇都宮や浜松は、地元の方々も餃子をよく食べるが、観光客向けに提供されているものも多いのに対し、宮崎市は地元の方向けのものが多かった。コロナ禍で観光客が減り、巣ごもり生活でテイクアウトの需要が増えたことや、宮崎餃子は味のバラエティーが豊富で飽きがこないといったところが、今年宮崎が1位になったポイントにあげられるそうです。

今後、餃子の未来はどうなっていくのでしょうか?

焼き餃子協会代表理事 小野寺力さん
みなさん宇都宮と浜松だけのイメージだったのが、宮崎が入ったり、いろいろな地域の餃子が注目されはじめていますし、クラフト餃子フェスみたいに異業種から餃子屋始めましたみたいなところも増えていて、どんどん餃子盛り上がってます。なので、みなさんどんどん餃子を食べていただいて、いろんな餃子を楽しんでいただければなと思っています

(めざまし8「わかるまで解説」5月6日放送より)