私がお伝えしたいのは「ウクライナ侵攻で警戒日本の『北の守り』は」です。
自衛隊は北海道に国内唯一の戦車を中心とした部隊を配置、伝統的に「北の守り」を重視してきました。
しかし、ソ連崩壊後、中国が軍事的に台頭し、守りの主軸が北から南西にシフト。ウクライナ侵攻でロシアへの警戒が高まる中、万が一の備えは大丈夫なのでしょうか。
ポイントはこちら!「高まるロシアの脅威私たちの安全は?」注目です。
【注目ポイント・記者解説】
冷戦時代、自衛隊はソ連を念頭にして北海道の部隊を充実させてきましたが、近年は東シナ海などで海洋進出を強める中国に対応するため、「北」から「南西」に重点を切り替えています。
一方で、ウクライナ侵攻後、3月にロシア軍が北方領土と千島列島でミサイル発射演習を行ったほか、4月にはロシア国防省が日本海で潜水艦から巡航ミサイルを発射したと報じるなど、日本周辺での軍事活動を活発化させています。
現在、ロシアはオホーツク海に核ミサイルを搭載できる原子力潜水艦を潜ませているといわれています。
この核は主にアメリカに向いているものとされていますが、今回、ロシアがウクライナに対して核使用をちらつかせたことをあげ、こうした行為が「他の国に向かわないとは限らない」と防衛省関係者は警鐘を鳴らします。
政府の外交・安全保障の指針について、自民党が提出した提言では、ロシアを「安全保障上の現実的な脅威」に引き上げ、中国については「重大な脅威になっている」と明記するなど、北朝鮮も含めて、日本を取り巻く環境は厳しさを増していて、「5年以内に防衛力を抜本的に強化するために必要な予算水準の達成を目指す」と、防衛費の増額も求められています。
(フジテレビ政治部・伊藤慎祐)