新型コロナウイルスの影響で外出する機会が減っているなかで、沖縄の伝統工芸であつらえた商品が人気を呼んでいる。

購入の決め手は、色鮮やかさ・かっこよさ

那覇市に住む篠崎久美子さんと1歳半の次男・仁三斗くん。

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自宅には立派な兜!中学生の長男が誕生した時の記念の品があった。

篠崎久美子さん:
私の父と母が埼玉にいるので、両親から贈ってもらいました 

沖縄テレビ 金城わか菜アナウンサー:
11年ぶりに男の子が生まれて、もうひとつ兜をというお話にもなったんですか?

篠崎久美子さん:
そうですね、なりました。でも置けないので、今回はこのようなタペストリーを購入したんです。兜のかっこよさと紅型の色の豊かさに惹かれて、注文させてもらいました。ずっと残せるもの、もし私たちから離れたとしても持たせてあげたいなと思います

紅型工房を立ち上げたきっかけ…「本物」を伝えるため

兜のタペストリーを製作・販売するのは、浦添市にある城紅型染工房。創業50年、「暮らしの中に紅型を」をコンセプトに生み出された商品は約100種類。

城紅型染公房 山城信吾さん:
こいのぼりを外に飾ってあげたい気持ちはあると思うんですけど、なかなか実情としては難しい。お子様がいるお客様から、こういった商品ないですかとご要望がありまして、それから商品につながっているケースが多いです

工房を立ち上げたのは、本土復帰を目前にした1971年。職人修行をしていた政子さんは土産品店に立ち寄り、決心した。

城紅型染公房の創業者 玉城政子さん:
昔の紅型のお土産にはプリントと本物が混ざっていて、これではいけないなと。本物を作って、本土から来たお客様に本物を伝えたいと。テーブルセンターとか、お土産を中心に作り始めたんです

政子さんの技と、琉球の工芸を身近に感じてほしいというコンセプトは、娘たちに受け継がれている。

長女・山城祥子さん:
けっこう力がいるんです、地味にやっているように見えるんですけど。こういう風にして、色をのせていきますね

次女・EYELANDさん:
赤瓦もあるので、県外に住んでいる県出身者の方にも飾って沖縄を思い出していただけたらと思って、デザインしました

日常を紅型で飾って彩りを…

城紅型染工房では、紅型を気軽に体験することができる。

次女・EYELANDさん:
もう少し力いれてもいいので。そのほうが色が浸透して、キレイに仕上がります

沖縄テレビ 金城わか菜アナウンサー
あ、押し付ける感じですね

次女・EYELANDさん:
そうです!こすっていく感じです

沖縄テレビ 金城わか菜アナウンサー:
職人さんがあんな大きな作品を作るって大変なんですね

次女・EYELANDさん:
大変なんです。久しぶりにやる方は筋肉痛になったりします

沖縄テレビ 金城わか菜アナウンサー:
できました!

城紅型染公房の創業者 玉城政子さん:
すごく上手です!本当にすばらしい

城紅型染公房の創業者 玉城政子さん:
子供がすくすく育つようにと思い、このような物を作っています。まだまだ一生懸命やらせてもらっています

500年続く琉球の技法で染めたのは、職人の誇りと子どもの成長を願う親の思い。きっと色鮮やかな楽しい思い出になるだろう。
新型コロナの影響で外出の機会が減っているなか、家にいる時間を豊かなものにしたいと考えることが多くなった。日常の暮らしを紅型で飾って、彩りを加えてほしいと話している。

(沖縄テレビ)

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