江戸時代から続く大病院

加賀藩の卯辰山養生所を起源とし、155年の歴史を持つ金沢大学附属病院 薬剤部。

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入院ベッド830床、一日の外来患者は約1500人という大病院だけあって、医師から薬剤部に出される処方せんは、一日に約2200枚。

調剤室では、保管する約2000品目の医薬品を自動調剤機などを使用して、患者の元に間違いなく届くよう準備している。また製剤室では、がんの薬物治療などに使用する薬剤を患者さんに合わせた種類・量で混合調製する。

崔吉道教授は、薬剤部76人のメンバーを束ねるリーダーとして活躍している。薬剤師の仕事について崔教授に聞いた。

金沢大学附属病院 崔吉道教授

「医薬分業」と「薬薬連携」

金沢大学附属病院 崔吉道教授:
病院薬剤師は、医師の処方せんに合わせて薬を調剤することはもちろん、患者が入院する病棟や手術室などにも常駐して投薬状況を確認したり、投薬後の患者の体調チェックや健康相談に乗り、その結果を医師にフィードバックしたりしています。

患者が入院する病棟や手術室などに常駐

このように、薬の専門家である薬剤師が独立した立場で医師の処方する薬をチェックし、薬の安全性と有効性を保つ仕組みを「医薬分業」という。

 

では、入院せず薬だけもらって帰る患者さんは、体調の相談をどうしたらよいのだろうか。

金沢大学附属病院 崔吉道教授:
ここで大きな役割を担うのが、普段みなさんが接する「街の薬局の薬剤師さん」です。病院で診察を受けてから次の診察までの間、薬が効いているか、副作用はないかなどの体調チェックを薬局の薬剤師さんが定期的に行い、異変があれば病院の薬剤師を介して医師に伝えるという仕組み。病院と薬局の薬剤師同士が連携する「薬薬連携」の一つで、石川県はその先進県の一つと言われているんです。

病院と薬局の薬剤師同士が連携する「薬薬連携」

金沢大学附属病院 崔吉道教授:
これは、乳がんの患者さんにお出しした抗がん剤に対して、服用後の体調を薬局薬剤師がチェックするトレーシングレポートの用紙です。発熱や下痢、食欲不振など具体的なチェック項目が示されていて、これを基に電話で患者さんに聞き取りを行います。

服用後の体調を薬局薬剤師がチェックするトレーシングレポート

この試みについて、薬局薬剤師の方に聞いた。

体調チェックは患者とのコミュニケーション

金沢大学附属病院の前にあるアカンサス薬局。松下薬剤師は、こんな経験があったという。

アカンサス薬局 金沢大学附属病院のすぐそばにある

松下薬剤師:
患者さんの口内炎がひどくなって、頂いたお薬で治らず食事もとれない、ということがあって。それをそのまま病院の先生にご報告申し上げましたら、お薬が中止になり、新しい貼るタイプのお薬に変わったということもあります。

アカンサス薬局の松下薬剤師

松下薬剤師:
(体調チェックは)患者さんとも良いコミュニケーションを取れるいい機会だと思っておりますし、患者さんも薬局薬剤師の方が話しやすいということもあるようですので、私たちがそういう役割を担わせて頂いております。

 

稲垣真一アナウンサー:
病院の先生に細かいことを相談するのは確かに気が引けますので、薬局薬剤師のこうしたフォローは心強いですね。

金沢大学附属病院 崔吉道教授:
今後はレポートの種類を他の病気の薬にも増やして、薬局薬剤師さんとの連携を深めていきたいと考えています。

(石川テレビ)

石川テレビ
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