外務省は2022年の外交青書をまとめ、北方領土について、19年ぶりに「ロシアに不法占拠されている」と明記し、日本の原則的立場を鮮明にした。22日の閣議で報告された。

ロシアによる軍事侵攻について、「国際秩序の根幹を揺るがす暴挙だ」と強く非難し、「制裁措置を通じ一連の行動には高い代償が伴うことを示していく」としている。

また、領土問題を含む平和条約交渉については「展望を語れる状況にはない」とした上で、北方領土について「日本固有の領土であるが、現在はロシアに不法占拠されている」と明記した。

こうした表現は、日露関係への配慮から長年使われてこなかったが、「不法占拠」と明記するのは2003年以来、「日本固有の領土」と明記するのは2011年以来。

中国については「安全保障上の強い懸念」としたほか、北朝鮮のミサイル発射については、「断じて容認できない」として関連の国連安保理決議の完全な履行を求めるとした。

さらに国際情勢について、「米国が主導力を発揮して国際社会の安定と繁栄を支える時代から、米中競争、国家間競争の時代に本格的に突入した」と記載し、『米国一強』の時代からの転換を指摘した。

政治部
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