岡山県の北西部で路線バスを運行する会社が、昭和に作られた車両を修理するためのクラウドファンディングを実施している。その背景には、バス会社が抱える大きな悩みがあった。
修理部品の調達困難…生産終了したバス
行き先を示す方向幕や木の板の床。昭和の雰囲気が漂うこちらの2台のバスが、クラウドファンディングの対象となる。
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高梁市の備北バスが所有し、現在も稼働している車両で、3月17日から400万円を目標に改修のための支援金を募っている。いずれも30年以上前に製造され、すでに生産が終了していることから、修理部品を手に入れるのも困難になってきている。
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備北バス営業部・木村尚紀部長:
安全に少しでも長く使えるようにするためには、いろいろと修理・手直しをして、安全に乗れるようにしなくてはいけない
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生活の足であるバスを残すために
昭和に作られた車両が今も現役で使われ続けている理由は、バス会社の厳しい経営環境にある。
高梁市や新見市などをエリアとする備北バスは、ピークだった昭和40年代には年間700万人以上が利用していた。
しかし、過疎化やマイカーの普及などでバスの利用者は減少。さらに新型コロナが追い打ちをかけ、2021年度は約60万人に落ち込んだ。
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また、冬場にまかれる融雪剤の影響で車体の腐食が進んだり、山間部の路線のためエンジンにかかる負担が大きく、壊れやすくなる。
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一方でバスの新車の価格が高騰し、状態のいい中古の車両は全国で奪い合いとなっている。そのため、バス会社は少しでも車両の寿命を延ばし、地域の足を残そうと必死に努力している。
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備北バス営業部・木村尚紀部長:
中山間地域の中で、生活の足であるバスを少しでも残していく。そうした努力をこれからもしていく必要があると思っているので、この取り組みを通して少しでもバスのことを知ってもらえれば
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クラウドファンディングは4月28日まで行われ、集まったお金はすでに修理を終えた1台の経費に充てられるほか、もう1台の車両のエンジンを積み替える費用として使われることになっている。
(岡山放送)