小学1年生になる前に、わくわくしながら選んだランドセル。新品ピカピカから汚さないよう大切に、慎重に扱っていた人も多いのではないだろうか。

しかし、6年間の小学校生活の中で気付けばボロボロになってしまっていた…ということもあるはず。そんなランドセルについて「ふざけていて壊してしまった」ときにも適用される、手厚い保証があるという。

いえもり&5歳と2歳(@iewori)さん提供
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Twitterユーザーの「いえもり&5歳と2歳(@iewori)」さんが「これも6年間保証ってマジ?」とのコメントとともに投稿したのは、ランドセルの修理保証の説明の画像。

「修理例」の中には「ふざけていて壊れた」とあり、ランドセルのフタと肩ベルトの部分を2人で引っ張っているイラストまでついている。保証しているのは、ランドセルのメーカーとしても知られる革製品の土屋鞄製造所。

公式サイトを見てみると、保証の対象となるのは

・ふざけていて壊れた
・大きな傷がついた
・金具類の故障


などに加え「ファスナーの故障」「糸のほつれ」「フタや肩ベルトの破れ」などだ。

「使用に支障をきたさない傷や落書き」や「自然災害や火災などによる消失」は対象外とのことだが、「お子さまの不注意による故障も、無料で修理をお受けします」とある。

土屋鞄製造所の公式サイトより

この保証について、Twitterでは「子供がふざけて破壊する生き物だとしっかり認識した上で保証出してくれるかばん業界に感謝……」というコメントの他、「階段の上から転がして遊びますからねぇ」「ランドセルを上に投げて落ちてきたのをキャッチできるか遊んでて」などのコメントが続々寄せられ、9万6000以上のいいねがついている。(4月18日時点)

ランドセルが「遊び道具になること」を想定した保証

大事に使っていたけれど壊れてしまった…という場合に修理をしてもらえるというのはわかるが、「ふざけていた」という理由までカバーしてくれるのは、とても手厚いと感じるこの保証。

投稿へのコメントにもあったように、“確かに遊んでいて壊れてしまった”というパターンは多そうだが、なぜこんなサービスをしているのだろうか。そして実際に「ふざけていて壊れてしまった」と持ち込まれるランドセルはどのくらいあるのだろうか?

土屋鞄製造所にお話を聞いてみた。


――いつからこのような保証をしている?

1965年の創業以来、修理は一部有償のサービスを含む形でサービスを提供して参りました。よりお客さまに寄り添い、また、卒業まで安心してお使いいただけるようなサービスにしたいと考え、大部分の修理項目を無償修理に切り替え、2020年販売から現在のようにカタログやWEBサイトで掲載する形になりました。


――「ふざけていて壊れた」ことも無料修理の対象。これはなぜ?

ランドセルは6年間お子さまが元気いっぱい使用することを想定し、綺麗な箱型が保てるよう2種類の芯材をいれるなど、職人の工夫をこらした丈夫なつくりです。それでも、投げたり、座布団代わりにして潰したり、ランドセルが遊び道具になることもしばしばあるため、保証に含めました。

提供:土屋鞄製造所

――実際に「ふざけていて壊れてしまった」と修理を依頼する人はどのくらいいる?

自分でふざけて壊してしまうケースは全体の5%ぐらいです。ご本人に故意はなく、お友だちなど他人にふざけてやられてしまったというのも含めると10%ぐらいになります。


――「ふざけて…」以外だと、どんな故障で持ち込まれることが多いの?

ランドセルのサイドについている、ナスカンという金具の修理が多いです。負荷がかかると外れる仕組みになっているため、給食袋を下げていて、扉や友達の給食袋と絡まったり取れてしまったなどのケースがあります。

また、コロナ禍になりアルコール消毒液が誤ってランドセルについてしまい、色落ちやシミの原因になったケースも以前より多くいただいています。

提供:土屋鞄製造所

――6年間、何度でも修理してもらえるの?

ご卒業の日まで何度でもご利用いただけます。わんぱくなお子さまは修理後も変わらずわんぱくなので、複数回出されるケースもありますが、1度お出しいただく際、修理希望箇所だけではなく別の箇所も点検、修理をしますので、複数回のご利用は比較的少ないです。

「1つのものを長く大切に使うこと」を伝えたい

ランドセルの修理依頼で多いのは、「マグネット錠やフック金具の破損」「時間割を入れるクリアポケットの破れ」「糸のほつれ」などだそうだが、注目されている「ふざけていて壊れた」例としては、「ふざけ合ってランドセルを引っ張ったり振り回したりして、革に傷がつき擦れてしまう」などだ。

基本的には手作業で修理し、交換した壊れたパーツは「今後の改良やものづくりに活かすため、職人側で破損状況を確認するなど活用している」のだという。

そんな土屋鞄が公式サイトにも掲げているのが、「直して使う」という経験を通して、ものと長くつきあうことの大切さだ。

提供:土屋鞄製造所

――修理する上で、心がけていることは?

代替ランドセルをお貸し出しているとは言え、やはりお子さまはご自身のランドセルを早く使いたいと思います。

また、製品を交換するご家族のお手間や時間を考えると、お預かりした製品がまたすぐに壊れてしまわないように、全体的な点検や、一つ一つの修理を丁寧に行うことが大切と考えています。


――無料修理保証を通して、どんなことを伝えたい?

私たちは企業として「時を超えて愛される価値をつくる」というミッションを掲げています。万が一壊れたり汚れてもお直ししながら、子どもたちが6年間をともにするランドセルを通して、1つのものを長く大切に使うことを伝えていきたいです。

提供:土屋鞄製造所

ちなみに、様々なランドセルメーカーの公式サイトを見てみると、土屋鞄の他にもいくつかのメーカーで「故障の原因は問わず、無料で6年間修理」「壊しても、壊されても、壊れていたらすべて無料修理」などの案内がされていた。

小学生にとって6年間の相棒となるランドセル。手厚い保証を通じて、土屋鞄をはじめ多くのメーカーが、物を大切にしてほしいという気持ちを伝えるとともに、毎日元気に過ごしてほしいと応援してくれる優しさが見えてきた。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。

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