岸田首相は26日、訪問先の広島市で、アメリカのエマニュエル駐日大使と、ウクライナ情勢を含め意見交換した。エマニュエル大使は、ロシアの軍事侵攻を激しく糾弾した。
岸田首相とエマニュエル大使は、原爆資料館の視察や、原爆慰霊碑への献花を行った後に、意見交換を行った。


岸田首相は、「今、国際社会においてはロシアによる核兵器の使用の可能性が現実の問題として懸念されている。核兵器を含む大量破壊兵器の使用は絶対にあってはならない」と述べた。
そして、エマニュエル大使の広島訪問について「大使が被爆地に足を運び、被爆の実相に触れたことは、国際社会に強いメッセージを発することになると確信している」と伝えた。
エマニュエル大使は、希望していた広島訪問が実現したことへの謝意を述べた上で、ウクライナ情勢について、「不法な戦争により日々、不法な軍事活動がますます拍車をかけて展開されている。ロシア軍は無実の人々を無差別に攻撃している。女性、子どもも数多くいる。彼らは病院、そして避難所など民間の施設と知りながら意志を持って攻撃している」として、ロシアを厳しく非難した。
さらに「広島ほど平和にコミットする場所はない」とした上で、声を詰まらせながら原爆資料館を視察した感想を、「全ての人間が世界を癒し、平和と正義をもたらさなければならない、ということを思い出させられた。私たちがやるべき仕事、責任であり、未完の仕事だ」と述べた。