静岡の特産品のひとつ「ワサビ」。産出額は全国1位、国内有数の産地だ。ここに個性的すぎるワサビのミュージアムがある。ツーンとするスポットや奇抜すぎるお土産。ワサビを脇役から主役へと押し上げたい社長の“ワサビ愛”があふれている。

老舗ワサビ店の山本食品が2018年に静岡・函南町にオープンした「伊豆わさびミュージアム」。
屋内にはワサビ田も設置され、ワサビの栽培方法やワサビの生育の経過を学ぶことができる人気スポットだ。

施設を作ったのは、サングラスにひげが印象的な山本食品の4代目・山本豊社長。
もともとはワサビ漬けなどの製造工場だったが、多くの人にワサビのよさを知ってもらいたいと改装した。

“ツーン”とくるワサビトンネル
社長の案内で入ったのが「ワサビトンネル」。

山本社長:
まずは鼻で感じてほしいということで、どうぞ
高里絵理奈アナウンサー:
わぁすごい。ワサビの香りがすごいですね。涙目になりそう
マスクをしていても強烈なワサビの刺激が襲ってくるワサビトンネル。
ワサビを加工している工場内の空気が、通気口を通ってこのトンネルに送られてくるそう。

そしてトンネルを抜けると、社長が室内に再現してしまったワサビ田に着く。
まさに、ここだけでしか味わえないユニークすぎる体験だ。

そんなワサビへの愛から、ワサビラーメンやワサビマヨネーズなど、さまざまな商品も生まれている。

ただ、過去に販売された中には“とがりすぎた”商品も。
山本社長:
実はね、これなんですよ、じゃん!

高里アナ:
なにこれ、「ダイナマイトわさび漬け」?
山本社長:
ちょっとこの形態がやばいぞということで、あるお客さんが飛行場で止められたという

「ダイナマイトわさび漬け」は、唐辛子とワサビの組み合わせ。その味は?
高里アナ:
ワサビと唐辛子合いますね
社長:
どう?これ売れると思う?
高里アナ:
売れると思います!
これまで数々の商品を生み出してきた山本社長だが、なかでも特にヒットしたのが特性のおろし金「鋼鮫(はがねざめ)」だ。

おろし金の凸凹をよく見ると、小さな「わさび」の文字がびっしりと。この形、実は考え抜かれたものなのだ。
山本社長:
アルファベットのCという文字がよかったんです。ワサビをおろした時に中で回転して、なおかつ空気が入るのでワサビがものすごいよくすれたんですよ。これを見て「ワサビの神」が下りてきたんですよ、私に

「C」の文字が「わさび」の中に隠れているのを発見した山本社長は、おろし金に「わさび」の文字を入れる事にした。
より辛く香りが良くなる形状の「鋼鮫」と、通常のおろし金でおろしたものを実際に食べ比べてみると...

高里アナ:
(通常のおろし金)おいしいです、あとからツンときますね。
(鋼鮫)辛い!言葉が出ない。香りはすごくさわやかな香り
山本社長:
とにかくワサビをおいしくするためには、いかに細かく空気を含ませるか、これで辛みと香りがいかに出るかなんですよ。おろし金に「わさび」と書いてあるので、ふざけてるんじゃないかと思われるけど、これは1年以上研究して、やっとたどり着いたのがここ

五感でワサビを楽しめるこの施設。すべてはワサビの魅力をより多くの人に伝えるためだ。
山本社長:
ワサビって、どっちかと言うと主役じゃないじゃないですか。とにかくどんな形でもいいから、ちょっとおちゃらけてこっちを向いてもらって、実は私はワサビ屋ですよと。それでとにかくワサビを何とかして広めていきたいというのが、私の願いなんです

奇抜な商品や仕掛けでワサビをPRする山本さんの根底にあるのは「ワサビ愛」。
伊豆わさびミュージアムには、そんな山本社長の強いこだわりと、ワサビへの思いがたっぷりと詰まっている。
(テレビ静岡)