サウナファンの間で使われるサウナ用語「ととのう」。サウナに入ったあと「とても気持ちがよくて、心身共に快調に感じられる状態」を言い、2021年の新語・流行語大賞にノミネートされた。広島でも盛り上がりつつあるサウナを取材した。

個室や組み立て式…広がるサウナ

畳が敷かれ、温かみのある和の空間が広がるこの場所。2021年12月に広島市の中心部本通りにオープンした「サウナ海」。看板に書かれた文字の通り、誰の目を気にすることなく入ることができる個室のサウナ施設だ。

この記事の画像(26枚)

サウナ海・山田敏也さん:
ここはおひとり様用のお部屋です。受付をして頂いて休憩するところまで、この部屋の中だけで完結させることができます。他のお客様と会わずに入っていただくことで、コロナの感染予防にもなると思います

サウナ室は温度が低く湿度が高い設定で、フィンランド式のサウナ。熱した石に水をかけ、水蒸気を起こすロウリュで体感温度を上げることができ、さらに独自の工夫も施されている。

サウナ海・山田敏也さん:
足元に台となる柱のような足がありません。そういうものを取り払うことによって、足元と上での温度差がないようになっています。上ももちろん暖かいんですけど、足元が冷たくならないような設計になっています

全国的にもまだ数の少ない個室サウナ。ほとんどサウナに入ったことがないというスタッフが体験してみた。温度は低めでも、ロウリュで水蒸気を起こすとスタッフの体から一気に汗が吹き出す。

サウナ後は水風呂代わりのシャワールームへ。さらにその横には休憩スペースがあり、全て個室の中でルーティーンが完結する。

スタッフ:
ロウリュがあるのは違いますね。何回かするとどんどん熱気が出てきたというか、すごく熱く感じました

続いて取材班が向かったのは、広島市佐伯区の湯来町。ここもサウナで盛り上がっているらしいのだが…。

――黒いバッグ?これは何ですか?

NPO法人 湯来観光地域づくり公社・五十嵐優太さん:
ちょっと今から組み立てるんで

というと雪の上にバッグを広げ、何か組み立て始めた。待つこと約15分。

NPO法人 湯来観光地域づくり公社・五十嵐優太さん:
出来上がりです。テントでサウナです。リバーサウナといって

湯来交流体験センターの脇を流れる水内川を水風呂に見立て、この施設で2年前からテントサウナの体験会を行っている。現在、新型コロナウイルスの影響でイベントは休止しているが、サウナ人気の高まりから来場者が徐々に増えていたという。

NPO法人 湯来観光地域づくり公社・五十嵐優太さん:
水着を着てもらって、みんなでテントサウナに入って、川で涼むという感じですね。特に今の季節は雪がすごく降るので、雪の中にダイブしてもいいですし。そこにある椅子の上でリラックスするのもありですね

自粛期間明けの4月には、サウナのイベントを行うべく活動している。

”ととのえ親方”流 サウナの楽しみ方

じわじわと人気に火がついたサウナ、今では数多くの本が出版されている。2年前にサウナーブックを出版した「ととのえ親方」こと松尾大さんは、フィットネスクラブを経営する傍ら世界各地のサウナを渡り歩き、ブームの火つけ役として知られる1人だ。

「ととのえ親方」松尾大さん​:
今はサウナブームというよりも、サウナの入り方のブームで。心地いいサウナっていうのを、皆が皆に伝えたがっている感じだと思うんです。サウナに入って、水風呂に入って、またサウナに行く。そういう入り方をしてる人が以前は多かったんですけど、サウナに入って、水風呂に入って、休憩する。そこに水風呂の向こう側じゃないですが、「ととのい」というものがある。こうやって入ると心地いいですよ、というのが今のサウナブームの起点になっているような気がします

「ととのえ親方」松尾大さん​:
僕的には「4:1:5」と言っていて。サウナ4、水風呂1に対して休憩5くらいとったら、心地いいんじゃないかなと

ととのえ親方がすすめるサウナの入り方を実践するため、スタッフが向かったのは、恐羅漢スノーパーク。

代謝の悪い40代ディレクター ロウリュを体験

広島県内最高峰、恐羅漢山にあるスキー場のレストハウス前に2021年10月オープンした「もりのさうな」。このかわいらしいコテージがサウナで、1棟貸しの予約制。事務所には更衣室があり、サウナポンチョやハットも貸りることができる。

代謝の悪い40代のディレクターがさっそく体験。

栗尾ディレクター:
50度くらいですかね。その辺はセルフで入れるんですね?

もりのさうなin恐羅漢・梶山支配人:
そうですね、はじめの火入れだけは自分たちがやって。あとは薪10本ぐらいはお客様が

栗尾ディレクター:
そんな汗はまだ出てないですけど

もりのさうなin恐羅漢・梶山支配人:
ロウリュしたら一気にきます

栗尾ディレクター:
すごいですね。湿気というか、すごい熱が来ますね

もりのさうなin恐羅漢・梶山支配人:
あんまり頑張る必要はなくて。サウナ室から出たいと思えば、出た方がいいと思うんですよね。1回目って汗はあんまり出ないので

栗尾ディレクター:
外気が気持ちいいですね

もりのさうなin恐羅漢・梶山支配人:
ここにある水風呂に入っていただくか、フィンランド式でダイブするも醍醐味

栗尾ディレクター:
水風呂、すごい凍っているんですけど大丈夫ですか?

もりのさうなin恐羅漢・梶山支配人:
大丈夫なんです

いざ水風呂へ…新雪へのダイブも

ちなみにこの水風呂。サウナに入る前に温度を測ってみると、なんと0.5度だった。

もりのさうなin恐羅漢・梶山支配人:
人は1度ぐらいの水風呂は、痛みを感じるようなセンサーになってるので。でもそういうのもサウナーにとっては最高の体験。入ってみたいってなる

まずは支配人が水風呂へ。

栗尾ディレクター:
行けますね…。そんなに行けます?

そして、ディレクターも水風呂へ。

栗尾ディレクター:
いきます。ふー、あー!つめたい!もう限界、もう限界

水風呂のあとは外気浴でととのえタイム。約5分間、体を冷まして再びサウナへ。サウナ・水風呂・外気浴を4対1対5の比率で3セット行うのが、ととのえ親方流の楽しみ方なんだそう。

ただ楽しみ方は人それぞれなので、熱くなったら無理をせず水風呂へ。新雪へのダイブも恐羅漢だからできる楽しみ方だ。

もりのさうなin恐羅漢・梶山支配人:
暖かくなったあとに水風呂でしめるというか。魔法瓶みたいにしちゃうんですよ、人間の体の中を。そうして体を拭くと、寒さを感じなくなってくるというか。そこがまた気持ちいい。サウナの魅力は何かと言われても、もう全部がいい、という感じしかないかな。フフフ

栗尾ディレクター:
これはととのいましたね

もりのさうなin恐羅漢・梶山支配人:
はい。これです

栗尾ディレクター:
これですか

もりのさうなin恐羅漢・梶山支配人:
やらないとわからない感覚ですよね

奥深きサウナの世界。みなさんも体験してみてはいかが?

(テレビ新広島)

テレビ新広島
テレビ新広島

広島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。