ウクライナ危機の終結は見えてくるのでしょうか。「めざまし8」では、橋下徹氏とウクライナ出身の国際政治学者が議論しました。

大きな存在…常任理事国の「拒否権」

3月3日日本時間未明に行われた国連総会。ウクライナ危機を巡る緊急特別会合で、ロシアの軍事侵攻を非難する決議案が圧倒的な賛成多数で採択されました。「ウクライナからの即時撤退」を要求する決議案に賛成したのは141カ国。反対はロシア、ベラルーシ、シリア、北朝鮮、エリトリアの5カ国。棄権は中国、インドなど35カ国でした。

橋下徹氏:
国連そのものが第2次世界大戦後に作られた時に、常任理事国に拒否権を与えたということは、世界の紛争全部を解決するということではなくて、5大国が世界大戦をしないようにと作られたものですから。ロシアが拒否権を持っている以上は、ロシアが当事者の紛争なんていうのは解決出来ない訳ですよね。

そのうえで、橋下氏は「住民の国外退避」についても注目すべきであると主張します。

橋下氏「国外退避は1つの選択肢」

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橋下徹氏:
あともう一つは、祖国防衛のために命を落とすと言うことが、一択になるということは僕は違うと思うんですね。いまウクライナの方々が、命をかけて戦っていることには、本当に敬意を表しますけれども、本当にそれだけなのかと。むしろ僕は、アンドリーさんのような方に「日本においでよ、いったん逃げておいでよ」と。戦況が有利になれば交渉が有利になると言うのだけど、その間にウクライナの人たちがどれくらい命を失うのか。日本がかつて太平洋戦争でそういう時があったわけじゃないですか。もう少しある意味ずる賢く考えれば、プーチン大統領はどこまで生きられるんですか。いま70歳ですよ。あと30年も生きられませんよ。それから、西側諸国が経済制裁をやっているというのであれば、ロシアの瓦解を狙っているのであれば、ロシアが瓦解するまで少し国外で待避してもいいじゃないですか。祖国防衛しかないという状況に皆なってしまうと、「国外へ退避することが恥ずかしいことだ」、「それはやっちゃいけないことなんだ」「売国奴だ」という批判を恐れてしまうような、そういう空気を僕はそういう方がおかしいと思います。命をかけて戦う人は、それはそれでやってもらいたいけども、アンドリーさんのように日本に暮らして、なんとか時間を稼げるようにということもあるんだから、是非若者には声かけて、日本に来させてほしいんですよ。「国外退避」も1つの選択肢としてあるんですよ。

ウクライナ出身政治学者「戦闘員の強制はない」

橋下氏の指摘を受け、アンドリーさんは。

ウクライナ出身の国際政治学者 グレンコ・アンドリーさん:
もしこの状況で、もちろん戦いたくない人にはその自由はいまでも保証されています。
いまでもみんなが強制的に送り出されて行かされるわけではありません。なので、強制されているというのは間違いです。それでもしここで降伏して、ロシアに全土を占領されたら結局犠牲者が増えるだけなんです。ロシアは必ず粛清を始めます。それで、反ロシア的な発信をしていた人は、何万人どころか何十万人もいるんですね。制圧されたら、殺戮が始まります。そう考えるとまだ戦って食い止める方が、最終的に犠牲が少なく済む可能性があるので、ここでやはり世界が出来る支援にしてもらって、なんとか思いとどめる。その方が最終的に犠牲者が少なくすむことに繋がると思います。

ウクライナの人々が強制的に戦いに行かされている訳ではないと強調。さらに、戦い続けることで犠牲者はより少なく済むのではないかと言及しました。

そこで、橋下氏は人々が国外退避出来ない“規制”の存在を訴えます。

橋下徹氏:
ゼレンスキー大統領もいま頑張っているので、僕らが軽くコメントするような立場じゃないですけど、18歳から60歳までの男性は「国外退避」できないようにしているんですよ。ウクライナから出られないようにしている。それは違うと思いますよ。

ウクライナ出身の国際政治学者 グレンコ・アンドリーさん:
「国外退避」させないからといって、全員が強制的に戦争に行かされるわけではないんですね。例えばマンションが爆破されたときに色々なサポートが必要なんですね。なので、それはこの状況で仕方ないことです。別に皆が軍隊に行くわけではありません。

アンドリーさんは、「国外退避」が出来ないからといって「強制的な戦闘員としての送り込み」はないと改めて説明。その後、議論の内容は、支配を続ける“プーチン大統領の存在”へ。

“330年”ロシアからの支配…「最大限の制裁で食い止めるべき」

橋下徹氏:
アンドリーさん日本で生活していて良いんですよ。未来が見えるじゃないですか。あと10年20年頑張りましょうよ。もう一回そこからウクライナを立て直しても良いじゃないですか。プーチンだっていつか死ぬんですから。

ウクライナ出身の国際政治学者 グレンコ・アンドリーさん:
その20年後ウクライナ人は残りますかという話です。ロシアの支配を受けて。

橋下徹氏:
だからどんどん国外退避させたらいいんですよ。西側諸国は武器しか供与しないんですから。譲歩もしないんですから。

「国外退避」が現状の改善へ導く方法であると話す橋下氏。

ウクライナ出身の国際政治学者 グレンコ・アンドリーさん:
仮に100万人が逃げても、4000万人が逃げられません。プーチンはいずれ死ぬと言っていましたが彼は元気ですよ。あと20年間生きるかも分かりません。その20年間でウクライナに対して何をするか。それは分からないですし、ロシアのウクライナでの支配が確立した場合、次に似たような指導者が出てきた場合は続きます。この独立を失った状態は、長引くかもしれません。330年間ずっとロシアの支配が続いたので、また同じことになると、1番民族にとって悲惨なことになるので、ここでやはり自由民主主義諸国にできる範囲で頑張ってもらう。なんとかここで食い止める必要があるんですね。エネルギーの制裁を含めた最大限の制裁を科して、ウクライナに対して最大限の武器を提供したら、かなり食い止められると私は思います。

(「めざまし8」 3月3日放送)