「一生懸命に頑張って、楽しく」 目標はオーケストラでの合奏

愛知・一宮市に、障害がある子どもたちが音楽を学ぶ場所がある。そこへ歌手の稲垣潤一さんが楽器の寄贈を申し出て、音楽を通して新たな交流が生まれた。

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愛知・一宮市でNPO法人「響愛学園」が運営する音楽教室。
バイオリンやフルート、楽器を奏でる子どもたちの多くが色々な障害を持っている。楽譜を読めない子がほとんど。代わりに、弦に様々な色のシールを張るなど工夫している。

音楽教室の隣にあるカフェでピアニストとして働く加藤柊人さん(19)。
柊人さんは教室の卒業生。重度の知的障害がある柊人さんは言葉で話すことが苦手な分、ピアノに思いを託している。

加藤柊人さんの母親:
人と関わることが実は大好きで、ここのカフェで弾いている時もお客さまに拍手をいただいて、すごくやりがいを感じているみたいなので、音楽はあの子にとってコミュニケーションだと思います

2021年8月。歌手の稲垣潤一さんが子供たちのもとを訪れた。

統廃合された中学校で使われなくなった楽器を、子供たちへ贈ることを申し出た。

稲垣潤一さん:
支援活動をさせていただきたいなと思っている、この第一号ということになります。よろしくお願いします

響愛学園の理事長:
ありがとうございます

宮城・仙台市出身の稲垣さんは、東日本大震災後に基金を立ち上げ、東北の中学校などへ楽器を贈る活動を始め、音楽を通して子どもたちと交流を続けてきた。

活動の幅を全国に広げようと、その第一弾として訪れたのが、妻の出身地の一宮市の子供達のもとだった。
会場には柊人さんの姿も。そのメロディーは、稲垣さんにもしっかり届いた。

稲垣潤一さん:
なにか僕たちが失ってしまったようなイノセントな香りというか、無垢な部分をずっと持っている。やっぱり演奏や歌は上手い・下手だけじゃないんですよね。どれだけ感動を伝えられるかというか。
きょう僕も自分の魂が震えるような感じがしたんですけど、こういう学園に楽器を寄贈できて、その楽器で子どもたちがまた腕を磨いて、プロのミュージシャンになってくれるといいな、なんて思いました

あれから4か月(2021年末)、コンガなどの楽器が届いた。さらに、稲垣さんの手配でバイオリンもメンテナンスされた。

響愛学園の理事長:
(練習に)向かう姿勢が全然やっぱり、いつも違うんですよ。(夏の)セレモニー後も頑張ってやるというのが意気込みが全然違ってくるので、すごく助かっております

稲垣さんから届いたコンガを使う平田龍斗さん:
一生懸命頑張ったりとか、たまには楽しくやったり。完璧に音楽をできるように頑張っていきたいなと

今、パート練習をしているのは「翼をください」。新型コロナが落ち着いたら、稲垣さんの応援を力に、オーケストラで合奏をするのが目標だ。

(東海テレビ)

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