記録的な大雪で列車が運休し、新千歳空港で約4000人が立ち往生する事態になった2月の北海道。JR北海道は除雪の遅れを防ぐことはできなかったのか、検証する。

長期間にわたり新千歳空港が”孤立状態”に

床に座り参考書をめくる大学受験生。マットや非常食の配布に並ぶ人。2月23日午前2時ごろの新千歳空港だ。

この記事の画像(17枚)

列車の運休で移動できない利用客ら約4000人が、長時間にわたって留まる事態となった。

受験生:
8時間くらいこのまま。参考書を見ていたが集中できない。もう、うんざり

2月22日、新千歳空港では観測史上最多の積雪量を更新。JR北海道は除雪が間に合わないとして、前日から札幌-新千歳空港間の快速エアポートなどの運行を見合わせた。

2月の運休本数は7700本。1日あたりの運休は、2月21日に1097本と過去最多を記録した。除雪が間に合わない事態は、なぜ発生したのだろうか。

強風で雪が線路に…連日の稼働で除雪機械にトラブル

まず、除雪機械の種類が挙げられる。JR北海道が保有する除雪機械は大きく分けて2種類だ。

ひとつは「機関車」タイプ。大量の雪を押しのけるパワーとスピードがあり、長い区間を除雪することができる。駅と駅の間の除雪に向いている。

もうひとつは「モータカー」タイプ。機関車タイプに比べ身軽で、駅構内など複雑な部分の除雪ができる。

札幌駅周辺や比較的雪が少ない千歳線などに配置されているが、機関車タイプに比べ馬力は小さく、一度に除雪できる距離は限られる。

今回は比較的雪が少ない千歳線沿線で、記録的な大雪となった。

除雪を繰り返しても強い風で雪が線路に吹き込み、硬く固まる。

除雪にかかる時間は普段の2倍に。千歳線では2月23日夜、除雪にあたっていた4台のうち1台が恵み野ー島松間で約2kmを残しエンジントラブルが起きた。

連日、長時間稼働し続けたことで除雪機械が不具合を起こしたのだ。今回の除雪の遅れについて、列車の運行に詳しい専門家は…。

鉄道ジャーナリスト 梅原 淳さん:
運行できなくなったことはもちろん良くないことだが、現状のJR北海道の設備では、仮に動かしたとしても大きなトラブルを起こす可能性があった。今回の件はやむを得ないのではないか

「吹きだまり」で車両・レール上を雪が覆う状況に

さらに北海道特有の悪条件が重なったという。「吹きだまり」だ。気温が低く水分が少ない雪が降る、北海道や東北地方で起こりやすいという。

風で吹き飛ばされた雪が、車体やレールなどに付着。外から見えない部分にまで入り込み、重いかたまりとなってへばりつく。

列車は身動きが取れなくなり、線路もふさがれてしまう。

鉄道ジャーナリスト 梅原 淳さん:
昭和38年に北陸地方や新潟県で記録的な豪雪があった。20日間近く、大雪で当時の国鉄の列車が動けなくなった。自衛隊や消防など、合わせてのべ67万人で除雪した

では今後、同じような事態を防ぐためにはどうしたらいいのだろうか。

行政との協力態勢、新型除雪機械の導入も大切

鉄道ジャーナリスト 梅原 淳さん:
行政との合同災害復旧訓練などができる態勢を築くべき。実際に雪害が起きたときに向けて、確認しておく必要がある

JR北海道では、各駅で社員が構内のポイントなどを除雪している。

昭和38年の“三八豪雪”のように、自治体など地域の関係機関や自衛隊などと連携すれば、人員を増強できるというのだ。公共交通機関を維持するために、日ごろからの態勢作りが求められている。

JRと行政が連携するために必要なことは何か。鉄道ジャーナリストの梅原淳さんは、普段から合同訓練をすること、排雪の協力態勢を確立すること、行政が除雪機を貸し出すことなども大事と指摘している。

JR北海道は3月16日、北海道運輸局と北海道に対して「改善策」の中間報告を提出。独自に降雪の状況を確認できる機器を設置して状況把握に努めるとともに、新型除雪機械の導入や融雪能力を強化、外部から除雪応援を受け入れられるよう業務計画を見直すなどとしている。

(北海道文化放送)

記事 1047 北海道文化放送

北海道の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。