大雪で北海道内では建物の倒壊が相次いでいる。命を守るため、いまこそ気をつけたいこととは?

雪の重みで相次ぐ倒壊被害…ケガ人も

札幌市南区の藤野地区。ケガ人はいないが、物置の屋根の一部が倒壊した。

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道内を襲った記録的な大雪。各地で屋根が倒壊するなどの被害が相次いでいる。

空き家の倒壊も相次ぐが、小樽市では3月に入り家族など4人がいた店舗兼住宅が倒壊。80代の男性がケガをするなど被害が続いている。

2月に観測史上1位となる1メートル23センチの積雪となった千歳市では、スクールゾーンが雪で埋まったため、児童は車道を歩き一斉下校した。 

住民の不安は屋根の"大きな雪庇"

さらに、住民の生活を脅かしているのが大きな雪庇(せっぴ)だ。
気温は各地であがり、千歳市を含めプラスの日が増えた。雪庇が解けて、いまにも落ちそうな危険な状況だ。

雪下ろし中の男性:
雪が落ちてきたらガラスが割れてしまう。もうどうしようもない。雪の捨て場もない

千歳市民:
つららがあるから怖い

千歳市民:
屋根の上に登っての事故は多い。滑るから乗らないことにしている

除雪業者によると、雪庇は暖房などで解けて凍ってを繰り返し、固く、重くなる。

"雪庇の落下"は相当な衝撃…命の危険も

大きな氷の塊が落下…かなりの衝撃だ。

除雪業者:
30センチくらいある。これがどんと落ちたら家の壁が傷つくとか穴が空いちゃうので、窓ガラスとかだと家の中に入ってしまう

ただ作業は常に危険と隣り合わせ。プロでも危惧するのは、屋根の上のこの状況だ。 
白い雪で、雪庇と屋根の境界がわかりにくく、判別がつかない。 

一方、カーポートなど屋根が低い建物の雪落としでも注意が必要だという。

除雪業者:
(高さが)2~3メートルだと油断して落ちる事故が多い。プロに任せた方がいい。1人で登る人もいるが、それは絶対やらないほうがいい

札幌市では9年前にも積雪1メートル37センチと、2022年と同じような大雪となったが、その時も札幌市役所の外壁が落下するなどの被害があった。 

一方、4年前には急激に雪どけが進み、各地で冠水の被害が相次ぐ事態となった。札幌市は気温の高い日が続き雪解けが進むため、落雪事故などに細心の注意が必要だ。

屋根の雪下ろしは必要?注意点は

雪下ろしには危険が伴うが、どこまで必要なのか。

北海道科学大学 建築学科の千葉隆弘教授によると、札幌の住宅はほとんどの家で積雪が1メートルまでなら耐えられる設計になっているという。

ただ以下のような兆候があった場合は注意が必要だ。

・ドアの開閉がしづらい
・ミシミシ、ピキッという音がなり始める

このような場合は、業者に相談をお勧めする。

落雪による事故を防ぐには、軒下に近づかないこと、雪かきは朝の気温が上がる前にすることを心掛けてほしい。

(北海道文化放送)

北海道文化放送
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