日本時間の22日朝、ロシアのプーチン大統領が、ウクライナ東部の親ロシア派武装勢力を独立国家として承認した。この一方的な承認を根拠に、ロシア軍がウクライナ国内に入ることになる。

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親ロシア派武装勢力を独立国家として承認

プーチン大統領は21日、国民向けのテレビ演説を行い、ウクライナ東部の2つの武装勢力を独立国家として承認した。

ロシアが一方的に承認したのは、国境を接しているウクライナ東部のドネツク州、ルガンスク州で、それぞれの一部を実効支配して「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」と名乗る親ロシア派武装勢力だ。

独立を承認する大統領令に署名するプーチン大統領(モスクワ・21日)
独立を承認する大統領令に署名するプーチン大統領(モスクワ・21日)

一方、プーチン大統領は、それぞれの勢力を一方的に国家と認めたうえで条約にも署名し、ロシア軍がこの地域に基地を置くことも可能にした。

めざまし8では、緊迫度合いが増す情勢に関して、国際政治学者の三浦瑠麗さんに話を聞いた。

ウクライナの出方次第では戦争に発展か

三浦瑠麗さん:
これで(ウクライナと親ロシア派武装勢力の即時停戦などを定めた)「ミンスク合意」は破綻ということになりました。それにより、実際には停戦ではなくて事実上破られてはいたのですが、戦争にどんどん発展していくかというところが、これからの分かれ目になります。

ロシアは、19万人と言われている軍隊を国境沿いに集結させていたわけですが、この軍隊が、いま独立を自称している2つの共和国の中に平和維持部隊として称して入っていくということが先程大統領令でプーチン大統領から指示があったんですね。それが実際に平和維持ではなくて占領にあたることは確かなんですけれども。では、ウクライナは2つの地域を奪還しにいくのか。
そうすると、十数万対十数万、あるいは数十万との軍隊の対決になるわけですから、戦争に発展してしまうということになります。

つまり、この2共和国の占領というのは前々からある程度予想されていたことではあるんですが、さらに大規模な、ウクライナの首都キエフを巻き込むような戦争になるかどうかでいうと、まだ現段階では保留とみた方がいいと思います。

中国は不快感示す可能性も

ーーアメリカとヨーロッパは足並みを揃えて協調で対応することはできる?

三浦瑠麗さん:
経済制裁に関しては、勿論ロシアに対して最強の経済制裁を科すわけではなくて、ある程度限定された制裁ですが、プーチン大統領がこういった侵略の意図を隠さなくなってしまった、実際に共和国2つを承認してしまったことによって、西側はもはや一枚岩で対応するしかないわけなので、ここは足並みを乱すことはしない方がいいと、日本に対しても思います。

しかし、例えば中国がどういう動きをするかということで言うと、実は中国はロシアと一枚岩なんて言われていますけれども、こういったロシアの軍事行動に対しては若干の不快感を示す可能性があるんですね。ロシアに対する制裁をするかというよりも、この侵攻を認めるかどうかということでいくと、中国はウクライナと経済的にも軍事的にも非常に縁が深い関係に今なっているんです。だから、そんなにシンプルな話ではないということはわかっておいた方がいいですね。

(「めざまし8」2月22日放送分)