「俳句のまち」として全国的に知られる愛媛県松山市。俳句のコンテストなどで数々の入賞を誇る、注目の小学6年生がいる。

賞を総なめ 家族も俳句の世界へ

阿見果凛さん:
どこで何をしていても俳句は続けていたいなと思っています

俳句に対して強い思いを語るのは、道後小学校6年生の阿見果凛さん。鋭い感性で俳句を詠む天才小学生として注目される、俳句界のホープだ。阿見さんが俳句と出会ったのは、大阪から松山に転校してきた小学2年生の時だった。

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阿見果凛さん:
俳句を始めたきっかけが学校の俳句の宿題だったので、「俳句って何だ?」ってところから始めたんですけど

初めて出会った俳句が、表現することの楽しさを教えてくれたという。

阿見果凛さん:
俳句というたった十七音のもので、それだけで人に共感できるというか。自分のちょっとモヤモヤしたこととかを俳句にしてみても、人に「わかるわかる」と言ってもらえたりするのが、俳句のすごい力だと思っています

俳句に魅了された阿見さんは、それから数多くのコンテストで入賞するなど才能を発揮。さらに俳句に対する熱い情熱で、周囲もどんどん俳句の世界へと引き込んでいった。

母・阿見幸恵さん:
いつの間にか周りを巻き込んで、私も夫も両方の祖母も巻き込んで、みんなで俳句をやるような雰囲気を作ってくれて。応援しつつもみんなで楽しめていて、本当に俳句を始めてくれて良かったなと感謝してます

見たもの、感じたものを題材に ツバキで一句

普段の俳句作りは、道後周辺を母・幸恵さんと会話をしながら歩き、見たものや感じたものを言葉にして紡ぐ。この日、目に入ったのは、飛鳥乃湯泉の前庭で咲いていたツバキの花だった。

阿見果凛さん:
これ、全部ツバキなんかなぁ

母・阿見幸恵さん:
そうだね、サザンカとツバキかな

阿見果凛さん:
こんな種類あるもんだね

母・阿見幸恵さん:
全部名前付いてるよ、多分

阿見果凛さん:
ここ来たからにはツバキで(俳句)作りたいところだけど

電子辞書を持ち歩き、言葉の意味や季語を調べたりメモをしたりして俳句を詠んでいく。歩き始めてから2時間足らず、できあがった俳句は…。

「湯の町の 風さらさらと 冬椿」

阿見果凛さん:
湯の町・道後の風が柔らかい感じがするというか、サラサラしてる感じがする。あそこに冬ツバキがあったので、ツバキの柔らかい感じがするというか、サラサラした感じと合うかなと思ってこんな句になりました

俳句甲子園の選手として松山に戻ってくるのが夢

俳句をこよなく愛する阿見さんに、松山市出身の俳人・神野紗希さんは大きな期待を寄せている。

俳人・神野紗希さん:
本当にこれからも今しか詠めない俳句って必ずあるので、たくさんの世界の出来事に触れながら自分の心を耕して、果凛さんにしか詠めない俳句をぜひ作っていってもらいたい

阿見さんのお父さんは転勤が多く、俳句と出会った松山市をいずれは離れる。それでも俳句でつながり、この松山に帰ってくることを夢見ている。

阿見果凛さん:
将来の夢は俳句甲子園に出ることです。俳句甲子園に出る高校生のころには県外に行ってると思うので多分、県外の高校からエントリーすることになると思うけど、その時住んでいる地域の予選を突破して、本選に出場するために選手として、俳句甲子園をやってる松山に戻ってくるのが夢です

「俳句甲子園全国大会出場!!できたら優勝!!」とその決意を直筆で表明。

実体験をもとに俳句を詠むことが多いという阿見さん。これからさらに感性を磨き、どんな俳句の世界を作っていくのか注目だ。

(テレビ愛媛)

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