35歳・元鉄鋼マンが歩む第2の人生。魚屋の開業と、ある”貝”のブランド化を目指す思いに迫った。

突然の工場閉鎖に脱サラして漁師に

広島・呉市広長浜沖で船を走らせる1人の男性。

(Q.家業だった?)
あき水産 輝・熊原拓朗代表:

全然、僕一人が始めた

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(Q.かなりの挑戦?)
あき水産 輝・熊原拓朗代表:

もう何もかもです

熊原拓朗さん(35)。正社員として働いていた日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区が全面閉鎖される方針になったことから心機一転、魚屋を始めた新米漁師。

(Q.いつかはやりたかった?)
あき水産 輝・熊原拓朗代表:

ずっとあった。子どもらがいるうちは会社員で安定したほうがいいと思っていたが、こっち家建ててるし、船があるし、転勤もできないですよね

大の釣り好きで、妻と小中学生の子ども3人を育てる一家の主。そして今、地元の期待を背負い、ある”貝”のブランド化に奮闘している。

あき水産 輝・熊原拓朗代表:
誰かがやらないと一生やらないまんまじゃん!

鈴木記者:
熊原さんのお店がこちらです。このように店頭には活きのいい魚が水槽に入っていますね。そして店内ですが、このようにご夫婦二人揃って店を切り盛りしています

呉服店だった空き店舗を改修し、魚屋を開業した新米漁師の熊原拓朗さん。呉市の基幹産業でありながら閉鎖方針が出された日本製鉄を辞め、2021年、第2の人生を歩み始めた。

(Q.日鉄の閉鎖は衝撃的だったのでは?)
妻・佳緒さん:

衝撃!

あき水産 輝・熊原拓朗代表:
空港で知った。沖縄旅行行こうとして…

妻・佳緒さん:
え、うそじゃろみたいな

夫婦の元に舞い込んだ”突然の知らせ”。それでも妻・佳緒さんは夫の夢だった魚屋の開業へ背中を押した。

妻・佳緒さん:
一回やりたいことやって、40代になってダメだったらまたサラリーマン戻れよみたいな…ハハハ

釣りは好きでも、魚をさばくことはほぼ未経験だった熊原さん。親戚や先輩漁師など多くの力に感謝する毎日だという。一番のこだわりは…

あき水産 輝・熊原拓朗代表:
地物を食べてほしい。なるべくいろいろなものを入れてあげる

地元で獲れた鮮魚を、魚屋として新鮮なまま食卓に届ける。きょうの刺し盛にはコチや鯛、サザエなどが盛られた。

(Q.魚屋さんができてどう?)
近くに住む客:

助かるわいね〜!

地元産のアサリを養殖するために奮闘

そして”地物愛”溢れる熊原さんの心をいま奮い立たせているのが、呉産アサリを養殖するプロジェクト。

あき水産 輝・熊原拓朗代表:
おいしいアサリが地元産で売れたら、もっとみんなが喜ぶかなと思って始めた

大きく育てるまでの一連のサイクルを、すべて熊原さんの所属する漁協で行う計画。これまでに、他県から仕入れた「稚貝」をイカダの下に吊るしたコンテナの中で養殖することには成功している。

残るハードルは、呉産と名乗るのに欠かせない種苗・稚貝育成を行うための”陸上養殖設備”の導入。そこでクラウドファンディングでの支援も募り始めた。

(Q.魚屋であり、アサリの養殖はどのような存在?)
あき水産 輝・熊原拓朗代表:

僕のすべてですよね…

”脱サラ新米漁師”が挑む呉産アサリのブランド化に期待が高まる。

(テレビ新広島)