3回目接種の遅れは失政だ

先週2/8にようやく3回目のワクチンをモデルナの交差接種で受けた。半分量だったせいか副反応は前の2回に比べほとんどなかった。だから迷っている人は早く受けた方がいいと思う。だがそれにしても遅かった。

11月の時点で厚労省の専門家会議は「自治体の判断で2回目から6カ月以降でも可能」としたのに、厚労相やワクチン担当相が「6カ月」に後ろ向きな発言をした。あれは何だったのだろうか。抗体価が上がるのは接種の2週間後だ。僕は2回目が7/26だったので6カ月なら3回目を1/26に打てば、第6波のピークの前には抗体価は上がるだろうと期待していた。

だが待てども接種券は送られて来ず、やっと来たのは接種予約が始まった1/28の夕方遅くで、その日の予約には間に合わず、翌日予約して2/8が取れた。6カ月で接種することは物理的に可能だったのに、閣僚の後ろ向き発言で段取りが遅れたのだと思う。

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ピーク時に抗体価は上がっていたのに

「CATs-QUICK」の新規感染者数動的予測によると、東京の感染のピークは2/8だったそうで、6カ月できちんと打っていれば、ピーク時にはすでに僕の抗体価は上がっていたことになる。

河野太郎前ワクチン担当相は「8カ月に根拠なし。完全に厚労省の間違い」と発言しているが、せっかく医師が「6カ月で打っていい」と言ったのに厚労省がストップをかけ、首相も修正しなかった。明らかな失政だ。

オミクロンは重症化率が低いが、岸田政権が取った隔離政策はデルタ型並み(後に少しずつ緩和)だったので、病気そのものよりも、社会機能不全の方が脅威となった。つまり僕が陽性になると妻の出勤も子供の登校もできなくなる。となるとワクチンを打つまではおとなしくしているしかない。先行実施された高齢者接種の予約が埋まらなかった時点で、高齢者優先はやめて必要な人達に枠を開放すべきだった。これも失政。

首相は今頃になって「1日100万回」と言っているが、ピーク過ぎてから言っても遅い。ワクチン一本足打法で批判にさらされながら「打てる人から打て」と、ある意味「乱暴」にワクチン接種を推し進めた菅前首相再評価の声が上がるのもうなずける。

7日 予算委員会で「1日100万回接種」という具体的な目標を掲げた岸田首相

岸田政権のコロナ対策はスピード感に欠ける。水際対策の強化はオミクロン初期にはある程度やむを得なかったが、さすがにこれだけ国内で広がったら意味はないだろう。だが首相はようやく緩和を検討するという。遅い。

子供の人生を滅茶苦茶にしてないか

妙なところで「はりきる」こともある。保育園でのマスク着用の「一時的推奨」である。小児科医からは窒息の危険も指摘されているのになぜこんなバカなことを言うのか。子供は重症化率がさらに低いので、子供自身ではなく高齢者への感染を防ぎたいという事だと思うが、老人の延命のために子供をいじめる国って広い世界でも日本だけではないか。

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ただでさえ子供はコロナで大変なストレスを受けている。今の小学校低学年の子は入学以来マスクなしで学校に行ったことがない。だから友達や先生の素顔をよく知らない。給食は黙って前を向いて食べ、友達と誕生日会もお泊り会もしたことがない。公園の遊具がグルグル巻きにされ使用禁止になったこともあった。

しかも我々は「一人も困らないようにしましょう」などと言って、ものすごい額の税金をばらまいているが、これは全部国債なので負担は我々ではなく、子供、孫の世代だ。これはよく言われる「財政的児童虐待」ではないのか。高齢者の命を守ることはとても大事だが、それ以上に我々は子供の人生を滅茶苦茶にしてはいけない。

【執筆:フジテレビ 解説委員 平井文夫】

平井文夫
平井文夫


フジテレビ報道局上席解説委員。2020年4月から立命館大学客員教授。1959年長崎市生まれ。82年フジテレビ入社。ワシントン特派員、編集長、政治部長、専任局長、「新報道2001」キャスター等を経て現職。

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