3月は引っ越しシーズン、ダンボール箱を使う機会もあるかもしれない。

そんな中、中に入れたものが傷まないように湿度から守り、さらに水も入れることができるハイスペックなダンボール箱が登場した。その名も「CARTON 2.0」(2900円)で、コクヨが運営するショップ&カフェ「THINK OF THINGS」から発売された。

「CARTON 2.0」
「CARTON 2.0」
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特徴は水産品や冷蔵品を運ぶために使用されている特殊なダンボールを用いたことで、湿度から守るとともに水を入れることもでき、さらには保冷効果などもあるという。

大きさは横幅41.5センチ×奥行き36.8センチ×高さ25.2センチで、洋服や書類など様々なものを収納できそうだ。

なおCARTON 2.0は、箱を作るのに一切接着がなく、ボディとフタがそれぞれ1枚のダンボールとなっており、これを自分で折り込むことで完成する。
 

1枚のダンボールを隙間なく折り込み水漏れを防止

水を入れることができるとなると、普通のものに比べてかなり高い性能だろう。なぜこのようなダンボールを作ったのだろうか?また、水を入れても漏れない仕組みも詳しく知りたい。

CARTON 2.0を販売する「THINK OF THINGS」の担当者にお話を伺った。


ーーなぜハイスペックなダンボール箱を作った?

THINK OF THINGSでは、業務用途で使われている素材や技術の新たな活用方法を探るコラボレーションを定期的に行っています。今プロジェクトでは水産品や冷蔵品を運ぶために使用されている機能性ダンボールを用いて、日常生活の中で使いやすいサイズのアーカイブボックスをつくりました。


ーー水を入れることができる仕組みを詳しく教えて

一般のダンボール箱のように接着で組み立てるのではなく、1枚のダンボールを隙間ができないように折り込んでできた構造のため、水が漏れないようになっています。

ダンボール原紙の両面にPETアルミ蒸着フィルムをラミネートして「保冷効果」「耐水効果」「防湿効果」を持たせています。

ーーダンボールという素材を選んだ理由は?

梱包材の代表格であるダンボールは安価かつ効率的で一時的に利用されることが多いため、愛着のない存在になっています。また、ダンボールの置かれる空間は散漫になる傾向があるため、暮らしの中で長く丁寧に使いたいと思える道具を作り、素材の可能性を広げたいと思ったからです。


ーー水はたくさん入れても大丈夫なの?

水を入れすぎると、重くなり持ち上げづらくなるため、箱の半分までを推奨しています。

何度も型や罫線の試作

ーー他のダンボールと異なる点を教えて。

書類や日用品の保管用途として使用されているダンボール製収納箱(アーカイブボックス)の素材と構造をアップデートすることで、生活のさまざまなシーンで使用可能になりました。また、従来ダンボールは倉庫など佇まいを比較的意識しない場所で使用することが多いものでしたが、家やオフィスなどの日のあたる表舞台で使っていただけるような存在として展開しています。


ーー開発で苦労した点は?

従来、業務用途で使われていた構造を家庭でも再現するため、細部まで精度高く組み立てられるように型や罫線の試作を何度も繰り返しました。

ーー耐久性はどのくらいなの?

通常のダンボールと同等の耐久性があり、加えて表面は水を貯められるほどの耐水性があります。しかし、切り口に水が触れると強度が弱くなってしまいますので、繰り返し水を貯める用途は推奨しておりません。


ーー使用上の注意は?

ダンボールの断面に水がついてしまったり、表層に微細なピンホール等がある場合、浸透する可能性があります。永久防水ではありません。

またCARTON 2.0は可燃ごみとしての処分が可能で、焼却の際もダイオキシンが発生しないという環境に優しい一面もある。

水を入れる機会は少ないと思うが、濡れても大丈夫なダンボールはいろいろな用途で使えそうだ。「THINK OF THINGS」店舗とオンラインショップから購入することができるので、気になる人は購入してみても良さそうだ。

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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。