政府は2月7日、ロシアが7日から北方領土の日本の領海や排他的経済水域を含む海域で軍事訓練を行うための「航行警報」を出したことを明らかにした。
政府によると、ロシアによる軍事訓練に伴う航行警報は2種類。一つは「2月7日から25日にかけて、北方領土の日本の領海・排他的経済水域(EEZ)、および宗谷岬沖の排他的経済水域を含む海域におけるミサイルおよび射撃訓練」に対して。もう一つは「8日から3月1日にかけて、北方領土の国後島南東の日本の領海における射撃訓練」を行うための航行警報。
今回の一連の軍事訓練については3日、ロシア当局が航行警報を出し、海上保安庁が3日と4日の両日、周辺海域に航行警報を発出している。
松野官房長官は会見で「北方四島におけるロシアによる軍備の強化はわが国の立場と相いれず、受け入れられない」と述べ、外交ルートを通じてロシア側に抗議したことを明かした。また、7日からのミサイルおよび射撃訓練に関しては、日本の排他的経済水域を含むことから抗議に加えてロシア側に申し入れを行い「北方四島を含む我が国周辺におけるロシア軍の活動を関心を持って注視をしている」との旨を伝達したという。
一方、岸田内閣としてはじめて迎えた7日の北方領土の日について松野長官は「戦後76年が経過した今も北方領土問題が解決されず、日本とロシアの間に平和条約が締結されていないことは誠に遺憾」と述べた。その上で「平和条約交渉の対象は四島の帰属の問題であるというのが我が国の一貫した立場」として、北方四島の返還に向け粘り強く交渉を進めていく姿勢を示した。