北海道美瑛町で、“あるもの”を原料にしたクラフトビールが人気を集めている。食品ロス削減につながる取り組みを追った。

鮮やかなオレンジ色に、きめ細やかな白い泡。独特な濁りが特徴的なクラフトビール。でき上がったばかりのクラフトビールが振る舞われた。

バーの客:
おいしい。すごくいい香り

バーの客:
フルーティーで、女性も飲みやすい

このビール、実は捨てられるはずだったある食品を原料として作られている。意外なその食品とは?

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捨てられるはずの「パン」がビールの原料に

このビールの原料に使われているのは、捨てられるはずだったパン。小麦の産地で多くのパン屋がある美瑛町では、ある問題を抱えていた。

ショットバー ハーミット 荒井啓史さん:
たくさんパンが捨てられているという話を聞き、今SDGs(持続可能な開発目標)が注目される中で、食品ロスを少なくするためにも、取り組まなければならないと思った

バーを経営する荒井啓史さん。パンの製造過程で出る、規格外で商品にできず廃棄されるものをビールの原料にしようと考えたのだ。

ショットバー ハーミット 荒井啓史さん:
表面をこがさないように、水分を飛ばすよう温度を管理しながら、オーブンで水分を飛ばす

廃棄せず作る「パン粉」からビールが誕生!?

水分を飛ばしたパンを手で砕き、ミキサーで粉状にしていく。バーの営業時間の合間にこの工程を繰り返して作られた、大量のパン粉がビールの原料になるのだ。

醸造作業を行うのは旭川市の地ビール製造会社。荒井さんの思いに賛同して協力した。

大雪地ビール 高木ドルフ里樹さん:
美瑛町で出た廃棄するパンを利用することで、地域全体でもっと面白い取り組みができると思った

ビールの原料には一般的には大麦が使われるが、パン粉に美瑛産の小麦などを加えたものを発酵させる。

荒井さんも仕込み作業を手伝う。熟成期間は約2週間。捨てるはずだったパンからビールが誕生した。

完成したビールに"感慨ひとしお"&感じる可能性

大雪地ビール 高木ドルフ里樹さん:
仕上がりはばっちり。すごく口当たりが優しくて、すごくジューシーなホップの香りが鼻にフワッと広がる

ショットバー ハーミット 荒井啓史さん:
すごく濃厚なんだけれど爽やかで、イメージした通り。あのパンがビールになるなんて、ちょっと信じられない。感慨深い。パン粉つくるのにだいぶ苦労したから

食品ロスを削減する取り組みに地域の人は…

バーの客:
日本でも世界的にも食品廃棄を何とかしようと取り組んでいる中で、廃棄するパンを利用するというのは期待が持てる

ショットバー ハーミット 荒井啓史さん:
おいしいと言ってくれるのが、何よりのご褒美。出るロスは無駄なく使ってビールを造る。おいしいと飲んでもらえるのが一番うれしい

パンから作ったビールは、美瑛町の新たな名産品となるのだろうか。

(北海道文化放送)

北海道文化放送
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