観光名所が並ぶ北海道函館市の西部地区。人口減少のあおりを受け、空き家が増加している。その空き家を再活用して、衰退に歯止めをかけようという試みが進んでいる。街はよみがえるのだろうか?

観光スポットでも増加する"空き家"

函館山の麓に広がる観光スポット、函館市西部地区。赤レンガ倉庫群や旧函館区公会堂など、明治から昭和初期にかけての建造物が人気だが、空き家の増加が課題となっている。

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長年使われていない空き家は北海道内で15万7000軒以上に上り、年々増えている。

函館市でも駅前から西部地区にかけての一帯で400軒以上。市全体の3割に及ぶ。

函館市の不動産会社「蒲生商事」。東京などで働いた後、2013年にUターンした常務の蒲生寛之さんだ。

西部地区の空き家再生など、街づくりの活動を続けてきた。

空き家を活用し"街の活性化"へ…

蒲生商事・蒲生寛之さん:
まだ使える空き家に価値を見いだして、人と建物をかけ合わせたときに何が生まれるのか。観光地として有名な一方で、暮らしの活力が衰えている現状をどうにかできないかと感じて、西部地区の魅力をどう伝えて磨いていくかに取り組んでいる

空き家に新たな価値を与えるリノベーション。蒲生さんは大正時代に生命保険会社として建てられたビルを、2017年に宿泊施設やシェアオフィスなどが入る複合施設に改修。

街の活性化を目指し、交流拠点づくりに力を入れてきた。

そして、コロナ禍によりテレワークが浸透したことで新たな動きが。

「テレワーク」の時代が追い風に

蒲生商事・蒲生寛之さん:
2020年ごろから移住の相談件数や、市内在住者が西部地区で店を開きたいなどの相談や成約の件数がかなり増えている。働く場所を選ばなくなった人が結構増えた

空き家を再活用した街づくりに取り組んできた蒲生寛之さん。蒲生さんの案内で市営住宅1階の空き店舗を訪れたのは、グラフィックデザイナーだ。

コロナ禍でテレワークが浸透したのを機に、2021年11月に東京から家族で移住し、2022年3月にここでデザイン事務所を開業する予定だ。

函館市への移住者・藤井拓さん:
住む場所を東京と決めなくても、なんとかなるという世の中になってきた。妻が函館出身で何度も来るうちに、僕の方が函館を好きになり住みたいと思い、妻を説得した。注目される場所で開業する効果は大きい

「磨けば光る物件」移住者・Uターンした人・地元住民が注目

この住宅が建てられたのは1972年。1階にはかつて青果店などが入っていたが、徐々に店舗は減少。

しかし、2019年からは開店が相次ぎ、2021年は炭火で焼いた肉を挟んだハンバーガー店がオープン。

さらに、欧米のアーミーものや韓国製の服などを扱うアパレルショップも誕生。いずれも函館出身者がUターンして開店したものだ。

函館市の大学生:
このような店舗が函館にあまりないので、最近できたのが気になって来た

函館市の大学生:
今まで何回も来ていて、そのたびにいいなと思う。街の雰囲気も相まって、ロマンがある

移住者、Uターンした人、そして地元住民が、空き家を「磨けば光る物件」と認識し始めた。

蒲生商事・蒲生寛之さん:
外から見た函館という視点で、街の魅力を上手に見つける人が多い。函館だけではなくて、地方都市の可能性も広がると思う

空き家を再活用した取り組みが、少しずつ地域に活気を生んでいる。

(北海道文化放送)