新たに発見された小さな生物の名前が注目されている。

新種を「オシリカジリムシ」と命名

小さな生物は、2021年鹿児島県で発見された新種の甲殻類で、体長は約1.3ミリ。

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鹿児島大学が、和名を「オシリカジリムシ」にしたと発表した。

榎並大二郎キャスター:
もう“おしりかじりむし”と聞けば思い出すのは、NHKみんなのうたの人気キャラクター「おしりかじり虫」です。これ以外にないという感じです。歌で大ブームとなったこのキャラクターは、「人々のおしりをかじって瞬時に笑顔にしてしまう」という“やんちゃな妖精”という設定なんです。

人気キャラクターにちなんで、今回「オシリカジリムシ」と名付けられたのが、今回発見された新種の甲殻類です。

発見した鹿児島大学の上野大輔准教授は、なんでこの名前にしたのか?というと「親しんでもらえるような残る名前にしたかった」という思いからだそうです。

そのため、命名にあたってNHKに事前に差し障りがないことを確認したそうです。上野准教授も、もともと「おしりかじり虫」のファンだったそうなんです

尾びれにかじり付いているのを発見

榎並大二郎キャスター:
そもそも、なぜオシリカジリムシとなったのか。こんなエピソードがあります。

発見されたのは、2021年5月鹿児島県出水市の干潟でした。鹿児島大学大学院の学生・是枝怜旺さんが、泥の中に潜んでいた体長約15センチのチワラスボというハゼの仲間を採集しました。

このチワラスボをよく見たところ、尻びれの部分に体長約1.3ミリという小さな小さな甲殻類がくっついているのを見つけて、

しかも尻びれに噛みついて、「かじりついて」くっついていたとことで、オシリカジリムシと名付けられたということです

加藤綾子キャスター:
すごい!その名の通り。小さいのによく見つけましたね。

榎並大二郎キャスター:
とにかく大発見だったということです。通常新たに発見される生物というのは、「何科何属オシリカジリムシ」というふうに、必ずどこかの科・属に入ってくるわけですが…

今回このオシリカジリムシは、どこにも当てはまらない新しいものということで、「オシリカジリムシ科オシリカジリムシ属オシリカジリムシ」ということです。

加藤綾子キャスター:
早口言葉みたいな。すごいですね、全部がオシリカジリムシ。

榎並大二郎キャスター:
全くの新種ということなんです。

架空のキャラクターが本当に

榎並大二郎キャスター:
何がそんなに珍しいのかと言うと、“あごの形”だそうです。通常の種類のものならば、1つしかないあごが、オシリカジリムシは3つのあごがあると、「大あご」「小あご」そしてあごの足と書いて「顎脚」というあごがあるという特徴。

これが唯一無二というわけなんです。
ネット上では、「本当に実在していたなんて」「盛大に噴き出した」などと話題になっていました。
NHKのおしりかじり虫のキャラクターを作ったうるまでるびさんもイットの取材に対して「架空のキャラクターが本当になってびっくり、こんなことあるんだと笑ってしまいました」ということでした

加藤綾子キャスター:
ほっこりしますね。

榎並大二郎キャスター:
今回の発見ですが、甲殻類の進化の歴史を解明する上でとても意義が大きいということです。

(「イット!」1月26日放送より)