住友生命保険は、全国転勤を前提に採用し、2022年4月入社予定の新入職員約60人に関し、最初の数年間は原則として、本人の希望した地域の拠点に配属することが分かった。

職務についても、入社後、希望に応じて、一人ひとりのキャリア形成をサポートしていく。これらは、職員の柔軟な働き方を進める社内改革の一環だという。

2022年度入社の新入職員からこれまでの運用を変えることになるわけだが、これにはどのような狙いがあるのか?

住友生命保険の担当者に話を聞いた。

対象は「新入職員約350人のうち約2割」

――「全国転勤を前提に採用し、2022年4月入社予定の新入職員約60人」は、4月に入社する新入職員の何割にあたる?

新入職員約350人のうちの約2割となります。


――新入職員の運用の変更について、現時点で決まっていることは?

2022年度入社の「総合キャリア職」については、“メンバーシップ型”の良いところを残しつつ、希望する勤務地などに沿って配属と育成を行うハイブリッドな“ジョブ型”の運用を行っていく予定です。

当社では入社後、最初の配属は、お客さまに近い場所で、保険実務やお客さま対応などの基本を身につけてもらう観点から、大部分の職員は全国にある支社に配属しています。

これまでも入社時の配属にあたっては、身上面などの事情を勘案して行ってきましたが、今後は新入職員一人ひとりの入社後のキャリアイメージをより一層、把握し、社会人として自身の能力やスキルを入社当初から最大限発揮できるよう、極力、希望に沿った地域拠点への配属を実施していくこととし、すでにアンケートを実施し、希望する勤務地のヒアリングを行っています。

今後、内定者との面談などを通じて、3月上旬までには決定した配属先の内示を予定しています。

なお、入社後は当社の多岐にわたる業務範囲や職務内容に関して理解が進むよう、社内各部門の役割や、様々なキャリアの可能性について理解を深めてもらう「ジョブフェア」を定期的に開催しています。

職員が将来のキャリアを主体的に考えることをサポートすると共に、その実現に向けて、スキルアップなどにも取り組んでいる職員を、本人が希望する部門や職務に沿った配属を行う「マイキャリア運営」の推進を通じて、専門的な知識やスキルを持った人材の育成に取り組んでいます。

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――「身上面」というのは、どのようなことを指している?

本人の健康面や家族の介護などを指しています。加えて、昨今のコロナ禍により、帰省や友人との交流もままならない中、新社会人として能力やスキルを入社後に最大限発揮するための生活環境面にも考慮した結果となります。

2022年度入社の新入職員から運用を変える狙い

――2022年度入社の新入職員から運用を変える狙いは?

当社は従来から働き方変革として、業務の効率化や、時間あたりの生産性評価制度の導入、在宅勤務などの環境構築を進め、働きやすい環境づくりに取り組んできました。

さらに、職員一人ひとりが、よりイキイキと働き、暮らせるような会社に進化させていきたいと考えています。

既存の職員については、2021年4月に人事制度を改正し、全国転勤が前提であった「総合職」を「総合キャリア職」に改正し、「Gコース(全国転勤型)」「Aコース(エリア内転勤型)」「Rコース(転居なし型)」を選べるようにしました。

新入職員については、これまでも入社時の配属にあたっては、身上面などの事情を勘案して、配属を行ってきましたが、コロナ禍という環境面での難しさもある中で、社会人生活をスムーズに開始し、社会人として自身の能力やスキルを入社当初から最大限発揮できるよう、極力、希望に沿った地域拠点への配属を実施していくこととしました。

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――2021年4月の人事制度の改正について、社内からはどのような声が聞かれる?

職員一人ひとりのライフステージの変化に沿った選択が可能であり、総じて好意的に評価されていると認識しています。


――「Gコース」「Aコース」「Rコース」、どれを選ぶ方が多い?

当社は全国に拠点があるため、「Gコース」の職員が最も多い状況ですが、これまでに「Gコース」から「Aコース」、あるいは「Rコース」に変更を選択した職員は100名程度で、その内訳としては約7割が「Rコース」、約3割が「Aコース」となっています。

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――適性検査などで本人が希望する職務とは別の職務が向いているとしても、本人の意向を尊重する?

職務についての意向については、入社後、様々な部門の業務や役割を紹介する社内「ジョブフェア」を通じて、理解を深めていきます。

また、上司との日頃の1on1ミーティングや定期的なキャリア面談でのすり合わせなどを通じて、本人が自分の適性も踏まえながら、キャリア計画を作成することにしています。

会社としては、自身のキャリア実現に向けて、スキルアップなどの自己開発に取り組んでいる職員を優先的に、本人が希望する部門や職務に配属する「マイキャリア運営」の推進を通じて、一人ひとりの主体的なキャリア形成のサポートを行っています。


――新入職員が希望する職務が、ある職務に集中した場合、どのような対応を考えている?

「マイキャリア運営」では、希望する部門を2つ、今後、希望する職務を6つまで登録できるようにしており、できるだけ本人の意向に沿った配属ができるように運営しています。


2022年4月に入社予定の新入職員約60人を、希望の勤務地に配属し、職務も希望に応じてサポートするという住友生命。狙いは、新入職員が社会人生活をスムーズに開始し、社会人として自身の能力やスキルを入社当初から最大限発揮させることにあった。

新入職員の意向を尊重する、こうした運用が、今後、他の会社にも広がっていくのか、注目していきたい。