これまで経験したことのない高い水準
「新規陽性者数の増加比が著しく上昇し、これまでに経験したことのない高い水準になっております」
東京都の新型コロナウイルスモニタリング会議では感染者数が1日当たり44人から135人に増加、7日間平均の増加比が308%になったとの分析が示された。
東京はこれらを受け、最も高い「赤」から「橙」、「黄色」、「緑」の4段階で表している警戒度を、感染状況について、先週から一段引き上げ「黄色」にした。
国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は「一気にすごい非常に高いところまで上がっていくというところはあると思う」とも話し、今後の“感染爆発”への懸念を示した。

マスク未着用でアイドルクラスター
会議では、年末年始のさまざまな感染事例が示された。
▲100人規模のパーティーを実施した20代
▲海外帰りの友人を含む12人と宴会した30代
▲マスクを着けずに公演活動を行ったアイドルグループメンバーのクラスター
いずれもマスクを正しく着用していなかった、との指摘が出された。
今月中にオミクロンに置き換わりも
「早ければ1月中あるいは2月に入ってはほぼオミクロン株に置き換わっていくのではないか」
感染者の中でオミクロン株が疑われる割合が12月21日から27日は9.1%だった。しかし、年末年始の12月28日から1月3日には44.6%に大きく増えたとのデータが示された。
東京iCDC専門家ボードの賀来満夫座長は、「早ければ1月中に今のデルタ株からオミクロン株に置き換わる」との見方を示した。

第5波の轍を踏まないよう
「(去年夏の)第5波と同じような逼迫の仕方にはならないかなと思いますので、今のところこれ以上なんとも言えない、と。我々の体制がどう崩されるのかっていうところまではちょっとやってみないとわからない。一生懸命取り組んでいこうと思ってます」
医療提供体制は5日現在、病床使用率5.4%、重症病床使用率0.6%と低い水準であることなどから、警戒度は先週と同じく最も低い「緑」だった。
しかし、前の週の3倍という感染者の急増に、東京都医師会の猪口正孝副会長は「第5波の轍を踏まないように、自宅療養、宿泊療養のところを非常に厚めにしている」と話した。

飲食店の人数制限強化も・・・
「例えば飲食店においてですね、現行の1グループ8人までの人数制限、これについての見直しであるとか、都立施設の入場制限のさらなる強化など、人と人との接触をさらに低減するための取り組みを決定せざるを得ないと、このように考えております」
東京都、12月以降、飲食店に協力を求めている利用人数をこれまでの1グループ4人までから8人までに拡大しているが、小池知事は、「このまま感染拡大が続けば飲食店の人数制限の見直しなどの対策強化を行わざるを得ない」との考えを示した。

協力金を貰いながら営業するのが一番
「協力金を貰いながら営業するのが一番良い、っていう飲食店が多いんですよ」
『都が国にまん延防止等重点措置の要請へ』という一部報道が出た5日、ある都議は、まん延防止等重点措置を求める声についてこう話していた。
「病床利用率は低い。重症者は3人だ」
一方ある幹部は、「現在の医療提供体制でのまん延防止等重点措置の要請は早すぎる」との見方を示した。 5日夜、小池知事も「現段階で考えていない」と否定。 小池知事は東京の経済活性化について、年明け、特に強く意欲を示している。

まん延防止等重点措置より、経済を動かしつつ締めるべきところをピンポイントで締める、そう今後の対策を練っているのだろうか。
今週後半にはがらりと・・・
「今週後半にはがらりと景色が変わる」
ある関係者は、今週初めに感染者の激増を見越してこう話していた。 その言葉の通り、2日に84人だった感染者は6日には641人に。「 オミクロン株は軽症や無症状が多い」とはいうものの、「感染者数が激増すれば一定数の重症者は出る」というのは“定説”となっている。
感染拡大の抑え込みと経済の両立のために「ウイズコロナ」をどう考えるのか、またも新たな対応を迫られるのかもしれない。
(フジテレビ社会部・都庁担当 小川美那)
