SNSによる「想定外のありがたいこと」

記録的な大雨によって、出荷が難しくなったぶどう。
SNSによる善意の連鎖で食品ロスの危機を逃れた。

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ぶどうジャムをさくっとしたクッキー生地が包み込んでいるおやつ。
商品が生まれたきっかけは意外なものだった。

うきはの宝・大熊充代表取締役:
『想定外のありがたいことが起きる』というのはすごくある。今回は特に災害で僕の会社だけじゃどうにもできなかった。予想もしない会社とかと予想もしないことが起きるので、SNSっていうのは。

“SOSツイート”が新商品の開発に

ナチュラル素材のみを使用したおやつのサブスクサービスを展開する「スナックミー」。
フードロス削減を掲げ、規格外の食材などを有効活用したアップサイクルシリーズにも力を入れているが、この「Upグレープケーキ」には特別なストーリーがある。

誕生のきっかけは、ネット上へのある書き込みだった。

(ツイッターの書き込み)
「今回の記録的な大雨で福岡県うきは市の仲間のぶどう農家さんのぶどうに割れが出て店頭で販売出来なくなってます。」
「加工用にぶどうがご入り用の方はお気軽にお声掛けください。」

ツイッターでSOSの声を上げたのは、干しぶどうなどの加工品を作っている「うきはの宝」の代表取締役。

2021年8月の九州北部豪雨で、仕事仲間の果樹園が被害に見舞われた。

うきはの宝・大熊充代表取締役:
長雨が原因で玉が割れ、流通できない状態になってしまった。
手助けしたいということで買い取ったら、どんどん声をかけられて、『どうにかしてくれないか』ってことで。とてもうちで普段作る干しぶどうの原料の量どころじゃなくなって、それでツイッターで『ちょっと誰か買ってくれないか』と。

そのツイートをスナックミーのサブスク会員が見つけ、リツイート。
すると、会社側が“SOSツイート”に気づき、商品開発が始まったという。

“サステイナブルケーキ”が誕生

スナックミー 商品開発担当・淺野僚太さん:
届いた物を見てみると表面に少し傷がついてしまったくらいで、味も実際に食べてみたところ、全然遜色もなくすごくおいしかったので、そのまま廃棄にしてしまうのはすごくもったいないと。

こうしたぶどうをジャムに加工し、オリジナル焼き菓子を1カ月程度かけて開発した。

スナックミー 商品開発担当・淺野僚太さん:
奇跡的なきっかけなのかなと思って、こういう事態が起きてるってことを発信してくださって、それをユーザーさまがつないでくださり、いろんな連鎖が起こって弊社までたどり着いた。

SNSの奇跡から生まれた、サステイナブルなケーキ。
今後については...

スナックミー 商品開発担当・淺野僚太さん:
こういった災害とかがないことが一番良いことだと思うけれども、取引先に多岐にわたるジャンルのおやつを製造している生産者とスナックミーはつながっているので、どういった原料でも広く対応可能かと思うので、今後も少しでもお手伝いを継続してできたらなと思います。

(「Live News α」1月4日放送分)