自民党の河野太郎広報本部長(前ワクチン担当相)は26日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」(日曜午前7時30分)に出演し、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種に関し、接種能力の高い自治体からどんどん接種を進めるべきだと訴えた。結果的に国民全体にもっとも速いスピードで接種を進めることにつながるという。

河野氏は、1回目、2回目接種用に配ったワクチンが市中に1,000万回弱分あると指摘。政府が自治体にゴーサインを出せば3回目接種はすぐにでも始められると主張した。しかし、政府が接種開始時期について自治体間が平等になるようにしているため、接種が進んでいないとの認識を示した。

理由として、接種準備の整わない自治体の首長が批判されてしまうこと。そして、一部の自治体でワクチンが不足するのではないかと厚労省が懸念していることを挙げた。

河野氏は「とにかくあるワクチンを打ち尽くす。供給が間に合えばそのまま供給を続ければいいし、なくなったらごめんなさいと謝る」と述べた。

ワクチンを感染拡大地域に優先的に配ることや、地方より都市部に優先配布することについて、河野氏は「意味がない」と否定した。「打つ能力がなければ、現場で在庫が積み上がるだけだ」として、「自治体の接種能力を最優先」するべきだと強調。それが結果的に国民全体のためになると説明した。

以下、番組での主なやりとり。

松山俊行(キャスター、フジテレビ政治部長・解説委員):
河野さんはツイッターで「ガンガン3回目接種やるべきだ」「平等よりスピードを重視すべきだ」と言っている。「ファイザーとモデルナの在庫分だけでも5,600万回分年内に使えるものがあり、どんどん使った方がいい」とも。この真意は。

河野太郎氏(自民党広報本部長、前ワクチン担当相):
オミクロン株は相当速いスピードで広がる。3回目接種がその発症予防、重症化予防、感染予防に効果がある。だとすると、(足並みがそろうのを)待たずに(ワクチン接種を)どんどんやるのがベストだ。すでに市中には1,000万回弱分のワクチンがある。本来1回目、2回目(接種)で使おうとして配ったものだが、頭打ちになってきた。高齢者、基礎疾患のある人、医療従事者を対象に(政府が)自治体にゴーサインを出せば、すぐに3回目が打てる。できないと言う自治体はやらなければいい。やれる自治体があるのなら、どんどんやってもらえばいい。あるいは職域接種で3回目やるよというところにどんどんワクチンを出せばいい。足並みがそろうのを待って皆が打てないよりは、できるところからどんどん打ってもらうのが、国民の健康を考えれば最適だ。

松山キャスター:
政府が接種準備の遅い自治体の対応を待って、公平性だけを重視しているように見えるということか。

河野氏: 
そうだ。打てる自治体があって、そこにワクチンがあるのだから「かまわないから行け」と言って、どんどん打ってもらう。結果として早く多くの人に3回目接種ができることにつながる。

橋下徹氏(番組コメンテーター、元大阪市長、元大阪府知事、弁護士):
河野さんが大臣の時に、僕が「平等よりもスピードではないか」と聞いたら、河野さんは「平等を考えなければいけない」と。「鳥取県の命と東京の命は違うのか」ということを鳥取県の平井知事が言ったのに対し、(河野さんは)「感染拡大地域を重点化することはできない」と言ったが、その話とは今回は違うということか。

河野氏:
感染拡大時に「たくさんよこせ」という話があったが、打てないのに出してもしょうがない。例えば、大阪の吉村知事が「大阪で広がっているから早くくれ」と。だけど打てないのに、在庫になるのに、それは意味がない。だから、あのときは自治体の打つスピードに合わせて供給した。速く打っている自治体にはどんどん送る。打つスピードが遅いところには、申し訳ないがゆっくり、そのペースに合わせてしか送らないよということだった。それは(今回の私の主張と)同じことだ。

橋下氏:
今回は何が問題になっているのか。

河野氏: 
2つあると思う。自治体の首長が自分の所だけ遅くなると批判されるので、皆(=全体)を抑えろと言う。これはダメだ。もう1つは、どこかでワクチンが足らなくなるのではないかと厚労省が気にしている。これは無くなったらもうごめんなさいでしょうがない。職域接種の時にモデルナが足らなくなって「ごめんなさい」と謝ったが、「もう手元にあるやつをとりあえず打ち尽くしてくれ」と。モデルナとファイザーと前倒し供給の交渉をやって入ってくればそのまま出せるし、交渉がうまくいかなければ間が空いてしまうかもしれない。要するにいま日本でできる最大限のスピードで打つのが、国民のためだ。

橋下氏: 
あのとき河野さんは「どんどん打て」と言って相当批判された。

松山キャスター: 
供給しすぎて対応できないということもあった。

橋下氏: 
本当はあれをやらなければいけないと思う。後藤厚労相は河野さんが受けたような批判を受けるのを恐れているのか。

河野氏: 
後藤厚労相と堀内ワクチン担当相の役割分担が、私と田村さん(前厚労相)の時と違うのではないか。とにかくあるワクチンを打ち尽くす。供給が間に合えばそのまま供給を続ければいいし、足りなくなって一時ストップしたら、ごめんなさいと謝る。

橋下氏:
ワクチン担当相、厚労相、どちらでもいいから謝ることを前提にどんどん打ってもらいたい。

橋下氏:
オミクロン株は感染力が強く一気に拡大する。感染拡大地域を重点化するのか、それともリスクの高い高齢者、基礎疾患がある人に優先配分するのか、その政治判断についてどう考えるか。

河野氏: 
感染拡大地域に配っても打たなければ意味がない。打つ能力はそれなりに限界がある。「感染拡大のところに配れ」とはもっともらしく聞こえるが、実際には現場で在庫が積み上がるだけだ。接種能力を最優先すべきだ。接種能力に合わせてワクチンを打つのが一番速く打てる。感染が拡大しているからというのはあまり意味がない。

松山キャスター:
オミクロン株の市中感染がいくつか報告されている。東京や大阪、京都や福岡と今のところ大都市中心だ。大都市から徐々にしみ出していくことを考えると、先に大都市中心にどんどん3回目接種をやったほうがいいのではないかという医療関係者もいるが、どう考えるか。

河野氏:
大都市といえども、打つ能力に限りがある。打つ能力以上にワクチンを配っても、それはほとんど意味がない。大都市中心に出せばいいかと言うと、地方の打つ能力が余ってしまうことになる。打てる能力に合わせてどんどん出すというのが一番スピードを速くすることになる。

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